化学用語 用語集

配位結合(coordination bond)とは

配位結合(coordination bond)とは2原子間の結合に関与している電子対が一方の原子から供与されている化学結合です。共有結合の場合には2つの原子からそれぞれ1つずつ電子が供与されて結合が形成されます。配位結合の場合には一方の原子しか電子を出さないのが特徴です。配位結合は基本的に共有結合と同様の分子軌道相互作用による結合です。 

配位結合にはさまざまな種類があり、典型元素同士の結合もありますが、金属と典型元素の結合も多数あります。典型的な配位結合として有名なのはヘテロ原子のプロトン化です。窒素や酸素などのヘテロ原子の多くは非共有電子対を持っています。非共有電子対を配位結合に使用する電子として、電子を許容できる電子不足の分子との結合を形成することが可能です。アンモニアがプロトンに配位結合してアンモニウムイオンを形成する、水がプロトンに配位結合してオキソニウムカチオンになるというのがよく知られています。また、空軌道を持つホウ素に対してピリジンの窒素が配位した錯体も安定に単離されています。 

配位結合はルイス酸とルイス塩基の相互作用によって生じる結合と解釈することも可能です。電子不足のルイス酸に対して、電子対を持つルイス塩基が配位すると結合が形成されます。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-

関連記事

lca cfp

配位子(ligand)とは

配位子(ligand)とは金属錯体の中心金属に対して配位結合している化合物です。金属イオンはさまざまな配位子による配位を受けて安定化されています。配位子はルイス酸性を持っていて空のp軌道やd軌道を持つ …

lca cfp

連鎖反応(Chain reaction)とは

連鎖反応(Chain reaction)とは、反応の結果として生じた生成物が活性種となって次の反応を引き起こすということが繰り返されることにより連鎖的に反応が進行していくことを指します。 化学反応では …

lca cfp

高分子化合物 とは

高分子化合物とは、化学の教科書などでは分子量が1万以上の線状化合物と書かれていますが、もっと簡単表しますと、結合された分子量がとても大きい化学物質と言えます。また、高分子化合物には低分子、中間分子、高 …

lca cfp

ポリベンゾオキサジン(POLYBENZOXAZINES)

目次1 ポリベンゾオキサジンの物性2 市販のポリベンゾオキサジン3 ポリベンゾオキサジンの用途 ポリベンゾオキサジンの物性 ポリベンゾオキサジンは、従来のフェノール樹脂に似ていますが、揮発性物質を生成 …

lca cfp

ROMP(ring-opening metathesis polymerization)とは

ROMP(ring-opening metathesis polymerization)とは開環メタセシス重合です。アルケンを有する環状化合物の重合反応で、Grubbs触媒などのルテニウム触媒やモリブ …