化学用語 用語集

酸化反応・還元反応(oxidation reaction/reduction reaction)とは

酸化反応・還元反応(oxidation reaction/reduction reaction)とは表裏一体の関係にある物質の酸化・還元を伴う化学反応です。酸化反応は物質に酸素原子が付与されるか、電子が奪われる反応を指します。還元反応は水素原子が付与されるか、電子を得る反応になっています。また、酸素原子が奪われる場合は還元反応、水素原子を失う場合は酸化反応です。 

酸化反応・還元反応はひとまとめにして酸化還元反応と言われることもよくあります。化学反応では酸化反応が起こるときには、必ず還元反応も同時に進行しているからです。例えば、酸化銅(II)の水素ガスによる還元では、銅と水が生じます。この際に酸化銅に着目すると銅に変換されて酸素が失われていることから還元反応を受けたと言えます。しかし、水素ガスが水になるのは酸化銅から酸素を奪う酸化反応です。このように酸化還元反応では酸素、水素、電子の授受によって酸化を受ける分子と還元を受ける分子が等量存在します。 

有機化学では酸化還元反応によって官能基の酸化段階を変えて合成を進めるのが一般的です。アルコールの酸化反応によってカルボン酸にすれば、アルコールとのエステル重合やアミンとのアミド重合ができます。このような酸化段階の調節に活用されているのが酸化反応・還元反応です。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-

関連記事

lca cfp

分子量(molecular mass)とは

分子量(molecular mass)とは分子1モルの質量のグラム数です。分子の相対質量として用いられています。分子量は分子を構成する原子の原子量の総和として求めるのが一般的です。原子量は炭素12に対 …

lca cfp

価電子数が6個のみで電荷を持たない炭素のカルベン

カルベン(carbene)とは価電子数が6個のみで電荷を持たない炭素、またはこのような炭素を持つ化合物です。カルベンには共有結合に関与している2つの軌道の他に2つの軌道があります。2つの共有結合に2電 …

lca cfp

イミン(imine)とは

イミン(imine)とは炭素原子と窒素原子の間で二重結合を形成している有機化合物です。特に窒素上のもう一つの置換基が水素原子または炭素原子のときにイミンと呼び、その他の置換基の場合にはオキシムやヒドラ …

lca cfp

オキシム(oxime)とは

オキシム(oxime)とは炭素-窒素の二重結合を持つイミンのうちで窒素上の置換基が酸素原子になっている有機化合物です。窒素上の置換基が水酸基の場合をオキシム、アルコキシ基の場合にはオキシムエーテルと区 …

lca cfp

カチオン重合(cationic polymerization)とは

カチオン重合(cationic polymerization)とは重合反応の活性種がカチオンになっているイオン重合です。カチオン重合ではカチオンの活性種に付加反応を起こし、新たにカチオンを発生させるこ …