化学用語 用語集

アルドール反応(aldol reaction)とは

アルドール反応(aldol reaction)とはカルボニル化合物同士が塩基性または酸性の条件下で起こす求核付加反応です。カルボニル基のα位に酸性プロトンを有するカルボニル化合物がエノールまたはエノラートになって求核剤として働き、別のカルボニル化合物のカルボニル炭素に求核付加反応を起こすことで、β-ヒドロキシカルボニル化合物(アルドール)が生成します。

アルドール反応は炭素―炭素結合を温和な反応条件で形成できるため、有機化合物の合成では汎用されています。アルデヒドやケトンのように反応性の高いカルボニル基を持つ化合物がよく用いられています。 

アルドール反応には同種の分子間で起こる反応と異なる分子間で起こる交差アルドール反応があります。同種の分子間でのアルドール反応は重合反応の一種です。アセトアルデヒドの酸または塩基触媒による従業はポリビニルアルコールの合成ができます。ただ、反応の盛業が難しいことから、アルドール反応によるポリマー合成の例はあまり多くありません。交差アルドール反応は反応の制御がさらに難しいため、重合反応で応用されている事例がほとんどありません。しかし、向山アルドール反応などの方法論が確立されているため、医薬品や農薬などの精密合成では交差アルドール反応がよく用いられています。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-

関連記事

lca cfp

反応速度定数(reaction rate constant)とは

反応速度定数(reaction rate constant)とは化学反応が原系から生成系に向かう速度の指標です。温度や圧力が一定で、同じ溶媒での反応であれば反応速度は基質の濃度に依存して変化します。反 …

lca cfp

極性溶媒中で非極性の疎水性分子や非極性官能基が凝集する疏水効果

疎水効果(hydrophobic effect)とは極性溶媒中で非極性の疎水性分子や非極性官能基が凝集する効果です。疎水効果は水中で両親媒性分子がミセルを形成する現象のように親水性分子同士、疎水性分子 …

lca cfp

オゾン(ozone)とは

オゾン(ozone)とは分子式ではO3と表記される気体物質です。3つの酸素原子が結合している化合物で強い酸化力を持っています。オゾンは他の物質との反応によって容易に酸素分子(O2)になります。オゾン分 …

lca cfp

配位結合(coordination bond)とは

配位結合(coordination bond)とは2原子間の結合に関与している電子対が一方の原子から供与されている化学結合です。共有結合の場合には2つの原子からそれぞれ1つずつ電子が供与されて結合が形 …

lca cfp

オゾン層破壊係数(ODP)とは

オゾン層破壊係数(ODP / Ozone Depletion Potential)とは大気中に放出された気体物質が成層圏にあるオゾン層を破壊する強さを示す指標です。標準物質としてフロン類のCFC-11 …