化学用語 用語集

海洋生分解性プラスチック(marine biodegradable plastic)とは

海洋生分解性プラスチック(marine biodegradable plastic)とは生分解性プラスチックの中で、海洋でも生分解を受けて最終的には水と二酸化炭素に分解されるプラスチックです。生分解性プラスチックは自然界に存在する微生物の働きによって分解されるのが特徴で、生分解性プラスチックが注目されているのは、プラスチックごみによる環境汚染の課題を解決しなければならないからです。

ただ、今までに開発されてきた生分解性プラスチックはコンポストを使用しなければ十分な分解速度が得られない場合が多くなっています。誰もがコンポストを使ってプラスチックごみを処理してくれれば良いですが、現実的には難しいでしょう。実際には自然界に投棄されたプラスチックごみが自然に還る仕組みを作る必要があります。海洋生分解性プラスチックはもし投棄されて最終的に海に流れついたとしても、海洋中の微生物によって分解される点で優れています。 

海洋生分解性プラスチックが普及すれば海辺に打ち上げられているプラスチックの増加を食い止められるでしょう。ただ、環境調和の観点では海洋生分解性プラスチックが必要ですが、倫理面に悪影響を及ぼす懸念もあります。プラスチックごみは海に捨てて良いという考え方が浸透しないように教育も進める必要があります。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , , , , , ,

関連記事

lca cfp

耐候性試験(Weathering test)とは

耐候性試験(Weathering test)とは、プラスチックの耐劣化性試験のひとつ。自然の天候、または、人工の条件下における材料やコーティングの劣化具合を調べる試験のこと。 また耐候性試験は、材料や …

lca cfp

ポリスルフィド(POLYSULFIDES)とポリチオエーテル(POLYTHIOETHERS)-ポリメルカプタン(POLYMERCAPTANS)/ポリチオール(POLYTHIOLS)

目次1 物性2 市販ポリエーテル、ポリスルフィド3 用途 物性 ポリチオエーテルとも呼ばれるポリチオールは、主鎖にメルカプタンまたはチオエーテル機能を持​​つ化合物です。それらは通常、硫化ナトリウムと …

lca cfp

活性化エネルギー(activated energy)とは

活性化エネルギー(activated energy)とは化学反応で原系から生成系に至るときに乗り越えなければならないエネルギー障壁です。化学反応を進行させるために外部から加える必要があるエネルギーとも …

lca cfp

生分解性ポリエステル・バイオベース脂肪族ポリエステル とは

目次1 生分解性ポリエステル・バイオベース脂肪族ポリエステルの物性2 商業用のバイオベースまたは生分解性ポリエステル3 生分解性ポリエステル・バイオベース脂肪族ポリエステルの用途 生分解性ポリエステル …

lca cfp

ヘテロ原子(heteroatom)とは

ヘテロ原子(heteroatom)とは炭素と水素を除くすべての原子を指します。ヘテロとはギリシア語で「異なる」という意味です。有機化学や高分子化学の分野では、慣用的に炭素と水素を除く非金属原子がヘテロ …