化学用語 用語集

マンニッヒ反応(Mannich reaction)とは

マンニッヒ反応(Mannich reaction)とはイミニウム塩とエナミンの間で起こる求核付加反応です。マンニッヒ反応では反応基質としてα位に水素がないケトンやアルデヒド、α位に水素があるケトンやアルデヒド、1級アミンまたは2級アミンの3成分が用いられます。アミンとカルボニル基の縮合反応によって、α位に水素がない化合物からはイミニウム塩、α位に水素がある化合物からはエナミンが発生します。イミニウム塩が求電子剤、エナミンが求核剤となって付加反応を起こし、新しい炭素―炭素結合が形成されるのがマンニッヒ反応です。 

マンニッヒ反応は汎用性が高く、異なる2つの分子間で炭素-炭素結合を選択的に形成できるのが特徴です。 ただ、マンニッヒ反応は連鎖反応を起こすことができないため、ポリマー合成の重合には用いられていません。医薬品や農薬などの精密合成でマンニッヒ反応が活用されています。マンニッヒ反応は有機分子触媒や金属触媒による不斉合成もできるため、精密合成に適しています。

触媒回転数が大きいマンニッヒ反応の触媒が開発されればポリマー合成に応用できる可能性がありますが、触媒量の低減が難しいことが多くてポリマー合成での実用化は難しいのが現状です。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-

関連記事

lca cfp

複屈折(birefringence)とは

複屈折とは、異方性のある物質に光が入射する際、2つの屈折光が現れる現象です。異方性のある物質というのは、弾性や屈折率が方向によってことなる物質であり、結晶や液晶がそれに該当します。逆に、等方性のある物 …

lca cfp

PBSA(ポリブチレンサクシネートアジペート/PolyButylene Succinate Adipate)とは

PBSAとはポリブチレンサクシネートアジペート(PolyButylene Succinate Adipate)です。1,4-ブタンジオールとコハク酸、アジピン酸の共重合によって合成されます。 …

lca cfp

ポリビスマレイミド(POLYBISMALEIMIDES/BMI)とは

目次1 ポリビスマレイミド(POLYBISMALEIMIDES/BMI)の物性2 市販のポリビスマレイミド(POLYBISMALEIMIDES/BMI)3 ポリビスマレイミド(POLYBISMALEI …

lca cfp

生分解性バイオプラスチック(BIODEGRADABLE BIOPLASTICS)

バイオプラスチックは、デンプン、セルロース、植物油、植物脂肪などの再生可能な原料から得られるプラスチックです。それらは生分解性であってもなくてもよく、一部は部分的にのみバイオベースです。つまり、再生可 …

lca cfp

アルドール反応(aldol reaction)とは

アルドール反応(aldol reaction)とはカルボニル化合物同士が塩基性または酸性の条件下で起こす求核付加反応です。カルボニル基のα位に酸性プロトンを有するカルボニル化合物がエノールまたはエノラ …