用語集

スパイラルフロー試験

射出成形機に特殊な金型を取り付け、溶融脂を射出し成形品をつくり、この成形品の状態から成形材料の流動性を試験する方法で、直接、射出成形機を使って、成形条件に合わせた試験ができます。

以下に、高密度ポリエチレン (HDPE)、ポリプロピレン (PP)、ポリスチレン (PS)、メタクリル樹脂 (PMMA)、ナイロン6 (PA6)、ポリカーボネート (PC)、および硬質塩化ビニル樹脂 (PVC) のスパイラルフロー試験データの例を示します。このデータはあくまで例であり、実際の試験結果は使用する条件や材料のロットによって異なる場合があります。

スパイラルフロー試験データ一覧表

材料温度 (℃)圧力 (MPa)スパイラルフロー長 (cm)粘度 (Pa.s)
高密度ポリエチレン (HDPE)2000.8180300
2301.0200280
ポリプロピレン (PP)2300.8190260
2501.0210240
ポリスチレン (PS)2200.8170320
2401.0190300
メタクリル樹脂 (PMMA)2300.8210250
2501.0236.7199
ナイロン6 (PA6)2600.8150400
2801.0170380
ポリカーボネート (PC)2800.8160350
3001.0180330
硬質塩化ビニル樹脂 (PVC)1800.8140450
2001.0160420

注釈

  1. 温度と圧力の影響: 一般的に、温度が高くなると材料の粘度が低下し、スパイラルフロー長が増加します。圧力が高い場合も同様に、材料の流動性が向上します。
  2. 材料特性の違い: 材料ごとに粘度や流動性が異なります。例えば、ナイロン6は高粘度であり、比較的短いスパイラルフロー長を示します。一方、メタクリル樹脂は低粘度であり、長いスパイラルフロー長を示します。

この表は、各材料の成形プロセスを最適化し、製品の品質を向上させるための参考として使用できます。試験データは、使用する材料や成形条件に応じて調整されるべきです。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-

関連記事

lca cfp

ポリアミドイミド(POLYAMIDEIMIDE,PAI)とは

目次1 物性2 市販のポリアミドイミド3 用途 物性 ポリアミドイミド(PAI)は、黄色から茶色の色をした高性能非晶質エンジニアリング熱可塑性プラスチックです。優れた熱的、機械的、化学的特性を備えてお …

lca cfp

熱可塑性樹脂 とは

樹脂・プラスチックは、「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に大枠で分けられます。 樹脂・プラスチックは常温では硬く、熱を加えると柔らかくなります。またこれを冷やすとそのままの形状で硬化しますが、さらにも …

lca cfp

水素結合(hydrogen bond)とは

水素結合(hydrogen bond)とは酸素や窒素などの電気陰性度が高い原子に共有結合している水素と、他の官能基の非共有電子対の間で起こる非結合性の相互作用です。アメリカの化学者ポーリングによって提 …

lca cfp

耐候性試験(Weathering test)とは

耐候性試験(Weathering test)とは、プラスチックの耐劣化性試験のひとつ。自然の天候、または、人工の条件下における材料やコーティングの劣化具合を調べる試験のこと。 また耐候性試験は、材料や …

lca cfp

ポリフェニレンとその他の導電性ポリマー(ICP)

目次1 物性2 用途 物性 本質的に導電性のポリマー(ICP)は、注目されている研究対象物となっています。ICPは、炭素-炭素単結合またはビニレン基(-C = C-)を介して互いに接続されている、ナフ …