化学用語 用語集

逐次重合の例として、ポリエステルの縮合重合

逐次重合(sequencial polymerization)とはモノマーが連続的に重合を繰り返してオリゴマーへの成長し、オリゴマー同士の重合も進行する機構で進行する反応です。二つ以上の反応性の官能基を持つモノマーが特定の反応条件で同時に重合するのが特徴で、モノマーは反応開始の初期段階でなくなります。逐次重合では反応条件の調整によって反応の開始・停止を制御します。逐次重合は複数のモノマーを利用して共重合を起こすことも可能です。 

逐次重合の例としてポリエステルの縮合重合があります。グリコール酸のように水酸基とカルボキシ基を分子内に持つモノマーの脱水縮合は逐次重合です。共重合では芳香族ポリイミドの合成が典型例です。芳香族ジアミンとピロメチル酸無水物による開環重合と脱分子内脱水反応による形式的な脱水縮合によって逐次重合が進行します。この他にも逐次重合はポリアミドやポリカーボネート、ポリエーテルなどのさまざまなポリマー合成に用いられています。 

逐次重合は2つの官能基を持つモノマーの場合には直鎖状ポリマーになりますが、多官能基のモノマーを含む場合には分枝ポリマーになります。樹状構造を持っていてゲルとしての物性を持つポリマーの合成などにも応用されています。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , , , ,

関連記事

lca cfp

融点とは?【融点一覧表】

融点とは、熱をかけることで固体物質が液体に変わる転移温度のことを指します。樹脂プラスチックの中で、一般的に融点が存在するのは高密度ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性樹 …

lca cfp

FRP(繊維強化プラスチック)とは

FRP(Fiber Reinforced Plastics)とは、樹脂プラスチックにガラスなどの繊維を混合させ、強度をアップさせた複合材料です。繊維強化プラスチックとも呼ばれます。 FRPの特徴に関し …

lca cfp

アニオン重合(anionic polymerization)とは

アニオン重合(anionic polymerization)とは重合反応の活性種がアニオンになっているイオン重合です。アニオン重合ではアニオンの活性種が電子不足なモノマーに対して付加反応を起こし、発生 …

lca cfp

ロックウェル硬さ試験とは(JIS K 7202)

目次1 ロックウェル硬さ試験(Rockwell Hardness)とは2 ロックウェル硬さ試験例 ロックウェル硬さ試験(Rockwell Hardness)とは 測定機に圧子(剛球)を取り付け、試料を …

lca cfp

脆性破壊(brittle fracture)とは

物体に外力を作用させると、弾性変形・塑性変形を生じた後、破壊に至ります。破壊するまでの変形が小さく、かつ、弾性変形のみであって、永久変形がないが、あっても無視できるほどに小さい(たとえば5%以下)とき …