化学用語 用語集

メラミン樹脂(MF樹脂/melamine resin)とは

メラミン樹脂(MF樹脂/melamine resin)とは硬度や強度が高い熱硬化性樹脂の一種です。1938年に工業生産が始められてから、メラミン樹脂は安価な熱硬化性樹脂として広まりました。成形性が高く、さまざまな環境で安定性を持つ特性があるので利用範囲が広い樹脂です。ただし、強酸や強塩基に弱く、衝撃によってひび割れをしやすい性質がある点には注意が必要です。湿気によって変化をしやすいことから、形状変化があっても問題がない製品に用いられるのが一般的になっています。

メラミン樹脂はメラミンと呼ばれるトリアジン系の芳香族化合物とホルムアルデヒドから合成されます。メラミンとホルムアルデヒドの反応によって生じたメチロールメラミンを原料として熱硬化させることでメラミン樹脂が合成されています。

メラミン樹脂はホルムアルデヒドを製造工程で使用するため、毒性が懸念される場合があります。しかし、製品の毒性はないというのが一般的な見解です。そのため、メラミン樹脂は古くから食器にも用いられています。ただし、耐熱温度は120℃なので、オーブンや電子レンジでの使用には向きません。強度の高さから化粧板などにも用いられる他、着色しやすさや耐水性、耐候性の高さを生かして塗料や乗り物・建築物の内装・外装にも使用されています。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , ,

関連記事

lca cfp

アイゾット衝撃試験とは

衝撃強さの値を調べるのに頻繁に使用される指標のこと。 通常、家電製品や車載部品、工業用部品に使用される樹脂製品やプラスチック部品において、その製品や部品の素材そのものの強度評価が行われています。 例え …

lca cfp

京都議定書(Kyoto Protocol)とは

京都議定書(Kyoto Protocol)とは「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」が正式名称で、1997年12月に開催されたCOP3(第3回気候変動枠組条約国会議)で採択されました。国立京 …

lca cfp

非共有電子対(lone pair)とは

非共有電子対(lone pair)は孤立電子対とも呼ばれる結合に関与していない電子対です。最外殻にある電子対の中で他の原子と共有されていないという意味合いで非共有電子対と呼ばれています。 非共有電子対 …

lca cfp

カチオン重合(cationic polymerization)とは

カチオン重合(cationic polymerization)とは重合反応の活性種がカチオンになっているイオン重合です。カチオン重合ではカチオンの活性種に付加反応を起こし、新たにカチオンを発生させるこ …

lca cfp

可逆反応(reversible reaction)とは

可逆反応とは原系から生成系への進行だけでなく、生成系から原系への進行も起こる反応です。想定している正方向の反応とは逆方向の反応もエネルギー的に起こり得るときに可逆反応と呼びます。 可逆反応は原系と生成 …