化学用語 用語集

求核置換反応(nucleophilic substitution reaction)とは

求核置換反応(nucleophilic substitution reaction)とは求核剤が反応点に求核攻撃をした後、特定の置換基が脱離することで起こる反応です。典型的な求核置換反応にはSN2反応、SN1反応がありますが、他にもSNi反応などのさまざまな種類があります。

SN2による求核置換反応は、求核剤の付加と脱離基の離脱が同時に起こるのが特徴です。求核置換反応の中心になる原子と脱離基の結合に対して、背面から求核剤が接近することでSN2反応が進行します。中心原子と求核剤の間で新たに形成される結合は、中心原子と脱離基の結合とは逆方向になります。そのため、反応点の原子を中心としたときに立体化学の反転が起こるのがSN2反応の特徴です。

一方、SN1反応は置換基の脱離が先行して活性の高い中間体が発生した後に求核剤が付加するメカニズムで進行します。典型的なのはアニオン性の置換基が脱離した後、カチオン性の中間体に対して求核剤が不可する反応です。SN1の求核置換反応では中間体が平面構造を取る場合には立体化学が反転するとは限りません。安定な平面性中間体を通る場合にはラセミ化するのが一般的です。

ポリマーの合成ではカチオン重合やアニオン重合でSN1反応がよく用いられています。反応性の高い活性種を利用するので効率的な合成ができるのが特徴です。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , , , ,

関連記事

lca cfp

曲げ強さ・曲げ強度 とは

「曲げ強さ・曲げ強度」とは、曲げ荷重に対して亀裂や破壊が生じる力・応力のこと。その曲げ試験は、平板の試験片を水平にし、試験片の両端を支持して、真ん中を圧子で圧縮を与えます。その時のひずみと応力の関係か …

lca cfp

ポリアクリレート(Polyacrylate)とは

目次1 ポリアクリレートの物性2 市販のポリアクリレート製品3 ポリアクリレートの用途 ポリアクリレートの物性 ポリアクリレートは、柔らかく、丈夫で、ゴム状の重要な種類のポリマーです。それらのガラス転 …

lca cfp

3員環エーテル構造を有するエポキシド(epoxide)

エポキシド(epoxide)とは3員環エーテル構造を有する有機化合物です。オキシランやオキサシクロプロパンとも呼ばれます。ひずんだ3員環構造を有するため、エポキシドは求核剤との反応によって開環反応が起 …

lca cfp

ポリジエン(ジエンエラストマー・合成ゴム)とは-POLYDIENES

目次1 ポリジエン(ジエンエラストマー・合成ゴム)の物性2 市販のジエンエラストマー ポリジエン(ジエンエラストマー・合成ゴム)の物性 ジエンエラストマーは、通常170〜250 K(-100°C〜-2 …

lca cfp

分子間力は静電相互作用によって制御される斥力・引力

分子間力(intermolecular force)とは分子同士に働くさまざまな種類の引力です。拡散によって接近した分子の間に分子間力が働くことで分子間反応が起きたり、複合体が形成されたりします。分子 …