化学用語 用語集

イミン(imine)とは

イミン(imine)とは炭素原子と窒素原子の間で二重結合を形成している有機化合物です。特に窒素上のもう一つの置換基が水素原子または炭素原子のときにイミンと呼び、その他の置換基の場合にはオキシムやヒドラゾンなどの個別の呼称があります。

イミンはアルデヒドまたはケトンとアミンの脱水縮合によって合成されるのが典型的です。アルデヒド由来のイミンはアルジミン、ケトン由来のイミンはケチミンと呼ばれます。脱水縮合反応は酸性条件下で進行しやすい性質があります。また、イミンがα位に水素原子を有する場合にはエナミンとの互変異性が起こるのが特徴です。エナミンは求核性を持つため、アルドール反応の触媒としてアミンを用いることがよくあります。 

イミンは酸性条件下ではプロトンやルイス酸の作用によってイミニウムカチオンを形成し、求核付加反応が進行しやすい性質を持っています。そのため、一般的にイミンは酸性条件下で加水分解を受けてカルボニル化合物とアミンに分解されやすいのが特徴です。しかし、環状イミンは比較的安定性が高く、分子内のイミン形成反応は容易に進行します。鎖状イミンは安定性が低い場合が多いため、有機合成の中間体として利用されるのが通例です。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-,

関連記事

lca cfp

エステル化(Esterification)とは

エステル化(Esterification) エステル化(Esterification)とはカルボン酸をエステルに変換する化学反応です。狭義ではカルボン酸とアルコールから直接エステルを合成する方法を指し …

lca cfp

分極(polarization)とは

分極(polarization)とは電荷がプラスとマイナスで偏ることや、磁極がN極とS極に分かれることを指します。化学では誘電分極と極性による分子の分極の二種類があります。誘電分極とは外部から電場をか …

lca cfp

SUS(Steel Use Stainless)

ステンレスを指す言葉。JIS記号からきた通称。

lca cfp

極性溶媒中で非極性の疎水性分子や非極性官能基が凝集する疏水効果

疎水効果(hydrophobic effect)とは極性溶媒中で非極性の疎水性分子や非極性官能基が凝集する効果です。疎水効果は水中で両親媒性分子がミセルを形成する現象のように親水性分子同士、疎水性分子 …

lca cfp

PGA(ポリグリコール酸/Poly Glycolic Acid)とは

PGAとはポリグリコール酸(Poly Glycolic Acid)です。生分解性プラスチックの一種で、1954年から存在を知られていることから物理特性の情報も多い樹脂です。クレハが大量生産のプロセスを …