化学用語 用語集

澱粉ポリエステル(starch polyester)とは

澱粉ポリエステル(starch polyester)とは植物由来の澱粉とポリエステルによって製造させるポリマーアロイです。GSIクレオスによって開発が進められている生分解性プラスチックのマタビー(Mater-Bi)にも用いられているエコマテリアルです。澱粉はバイオ資源として入手しやすいものの、力学的性能が低く、加工性や耐水性も良くないという問題があります。プラスチック原料としての力学的性質を改善しつつ、生分解性を維持できる成分としてポリビニルアルコール(PVA)及び変性PVAが添加されたのが初期の澱粉ポリエステルです。さらにポリカプロラクトン(PCL)を添加することで耐水性が改善され、GSIクレオスによって製品化が達成されています。

澱粉、変性PVA、PCLの澱粉ポリエステルはまた-ビーZFO3Uとして販売されています。澱粉ポリエステルはフィルムや繊維として加工可能で、コンポストバッグやトレー、シートなどに応用されています。農園芸や土木・建築などで用いられる緩衝材にも応用が進められています。

現状では澱粉ポリエステルはGSIクレオスによるポリマーアロイの代名詞になっています。しかし、他のポリエステルとのアロイの形成も可能なので、今後多様な澱粉ポリエステル登場する可能性があります。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , , , , ,

関連記事

lca cfp

有機触媒(organocatalyst)とは

有機触媒(organocatalyst)とは触媒活性を持つ有機化合物です。無機化合物の金属触媒と対義的に用いられる表現です。有機触媒は有機分子触媒と有機金属触媒に分けることができます。有機分子触媒は触 …

lca cfp

潮解性(deliquescency)とは

潮解性(deliquescency)とは固体が空気中の水分を吸収して溶解する性質です。潮解は物質の飽和水溶液の蒸気圧が空気中の水蒸気圧よりも小さい場合に起こります。水蒸気が物質表面にある飽和水溶液に取 …

lca cfp

官能基(functional group)とは

官能基(functional group)とは有機化合物に含まれている原子団です。特定の名称が付けられている場合が多く、化合物の物理的性質や化学的性質を特徴付ける部分構造です。官能基は有機化合物の反応 …

lca cfp

ポリペプチド(polypeptide)とは

ポリペプチド(polypeptide)とはアミノ酸のペプチド結合によって生み出されるポリマーです。狭義ではα-アミノ酸がモノマーのときに限られますが、広義ではβ-アミノ酸やγ-アミノ酸がペプチド鎖に含 …

lca cfp

粒子状有機化合物(POM / Particulate Organic Matter)とは

粒子状有機化合物(POM / Particulate Organic Matter)とは揮発性有機化合物(VOC)の中で最も沸点が高い有機化合物です。揮発性有機化合物は塗料やペンキ、自動車の排気ガスや …