化学用語 用語集

ラジカル重合(radical polymerization)とは

ラジカル重合(radical polymerization)とはラジカル連鎖反応によってモノマーを重合させる方法です。ポリエチレンなどのアルケン化合物をモノマーとするポリマー合成で昔からよく利用されてきました。

反応性が高いラジカル種が伸長末端に連続的に発生させられるため、重合速度が速いのが特徴です。しかし、活性種の寿命が短く、夾雑物による反応の停止も起こりやすいことや、重合度の制御が難しいことも知られています。

ラジカル重合(radical polymerization)ではラジカル開始剤と呼ばれる過酸化物やAIBNなどを用い、熱や紫外線照射を引き金として重合を開始させる方法が主流です。また、金属触媒を用いるラジカル重合も知られています。

過酸化物などから発生させるフリーラジカルと異なり、金属触媒によって発生させるラジカルは金属による安定化を受けます。そのため、反応速度は低下する傾向がありますが、活性種の寿命長くて重合度の高いポリマーを合成しやすい、反応場を固定できるので枝分かれを制御しやすいというメリットがあります。

一般的にはラジカル重合(radical polymerization)には高温条件が求められますが、温和な条件でラジカル重合を開始できる触媒も開発されている影響で、反応温度による重合制御もできるようになってきています。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-

関連記事

lca cfp

アミノ酸(amino acid)とは

アミノ酸(amino acid)とはアミノ基とカルボキシル基を有する化合物です。狭義ではアミノ基とカルボキシル基が同じ炭素原子に結合しているα-アミノ酸を指しますが、隣接する炭素にそれぞれアミノ基とカ …

lca cfp

PBSA(ポリブチレンサクシネートアジペート/PolyButylene Succinate Adipate)とは

PBSAとはポリブチレンサクシネートアジペート(PolyButylene Succinate Adipate)です。1,4-ブタンジオールとコハク酸、アジピン酸の共重合によって合成されます。 …

lca cfp

HSAB則とは?酸塩基反応の予測

HSAB則(Hard and soft acid and base theory)とはラルフ・ピアソンによって報告された酸塩基反応の予測に用いられる定性的な法則です。HSABとはHard、Soft、A …

lca cfp

高分子(high-molecular)とは

高分子とは分子量が大きい分子を全般的に指します。分子量が小さい小分子、小分子と高分子の中間的な位置にある中分子という言葉もよく用いられています。 ただし、分子量によって具体的に高分子が定義されているわ …

lca cfp

ポリマー(重合体)/polymer とは

ポリマー(重合体)/polymerとは、「ポリ」が多数を意味し、「マー」は分子の繰り返しを意味します。一般的には、合成樹脂(プラスチック)のことを指します。 たとえば、ポリ塩化ビニルは、塩化ビニル(モ …