ラジカル重合(radical polymerization)とはラジカル連鎖反応によってモノマーを重合させる方法です。ポリエチレンなどのアルケン化合物をモノマーとするポリマー合成で昔からよく利用されてきました。
反応性が高いラジカル種が伸長末端に連続的に発生させられるため、重合速度が速いのが特徴です。しかし、活性種の寿命が短く、夾雑物による反応の停止も起こりやすいことや、重合度の制御が難しいことも知られています。
ラジカル重合(radical polymerization)ではラジカル開始剤と呼ばれる過酸化物やAIBNなどを用い、熱や紫外線照射を引き金として重合を開始させる方法が主流です。また、金属触媒を用いるラジカル重合も知られています。
過酸化物などから発生させるフリーラジカルと異なり、金属触媒によって発生させるラジカルは金属による安定化を受けます。そのため、反応速度は低下する傾向がありますが、活性種の寿命長くて重合度の高いポリマーを合成しやすい、反応場を固定できるので枝分かれを制御しやすいというメリットがあります。
一般的にはラジカル重合(radical polymerization)には高温条件が求められますが、温和な条件でラジカル重合を開始できる触媒も開発されている影響で、反応温度による重合制御もできるようになってきています。