化学用語 用語集

リビング重合(living polymerization)とは

リビング重合(living polymerization)とは活性種が反応系において安定に存在する重合反応です。リビング重合出ない場合には活性種が反応系で停止反応を受けてしまい、自然に重合反応が止まります。しかし、リビング重合の場合には活性種が安定なので、モノマーが消失するまで重合が進むのが特徴です。活性種の成長末端を失活させないための反応条件を導き出すことがリビング重合をするためには必要です。 

リビング重合が開発された初期にはアニオン重合が中心的でした。しかし、近年ではカチオン重合やラジカル重合、配位重合などによってリビング重合ができるようになっています。 
リビング重合はポリマーの機能性を検討する上で重要な役割を果たしています。リビング重合が完了した後、異なるモノマーを添加すれば末端機能化ポリマーを合成することが可能です。また、ブロック重合をリビング重合でおこなったり、分岐ポリマーの合成をしたりすることもできます。 

リビング重合の応用例としてスチレン・ブタジエン共重合体のアニオンリビング重合によって合成されている末端機能化ポリマーがあります。ポリマーの両末端をアミノ基やアアルコキシシリル基によって修飾・機能化することで物性を向上させたエラストマーが多数開発されています。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-, , , ,

関連記事

lca cfp

特定フロン(specified freons)とは

特定フロン(specified freons)とはオゾン層を破壊する物質としてモントリオール議定書で定義されたフロン類です。オゾン層破壊係数が大きいCFCがまず生産・排出・貿易の規制対象となり、オゾン …

lca cfp

原子効率の指標とも呼ばれるアトムエコノミー

アトムエコノミー(atom economy)とは原子効率とも呼ばれる指標で、原料に対して生成物に残される分子量の割合を指します。バリー・トロストによって提唱されてからグリーンケミストリーにおいて重要な …

lca cfp

カチオン重合(cationic polymerization)とは

カチオン重合(cationic polymerization)とは重合反応の活性種がカチオンになっているイオン重合です。カチオン重合ではカチオンの活性種に付加反応を起こし、新たにカチオンを発生させるこ …

lca cfp

熱可塑性樹脂 とは

樹脂・プラスチックは、「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に大枠で分けられます。 樹脂・プラスチックは常温では硬く、熱を加えると柔らかくなります。またこれを冷やすとそのままの形状で硬化しますが、さらにも …

lca cfp

活性化エネルギー(activated energy)とは

活性化エネルギー(activated energy)とは化学反応で原系から生成系に至るときに乗り越えなければならないエネルギー障壁です。化学反応を進行させるために外部から加える必要があるエネルギーとも …