樹脂プラスチック材料環境協会 / Jushi Plastic Material Environment Association

ほしい「原料・材料・素材・機械・加工・技術・環境ソリューション」を持つメーカーと、直接つながる / "Connect directly with manufacturers that provide the desired raw materials, components, machinery, processing techniques, technologies, or environmental solutions."

     

化学用語 用語集

価電子数が6個のみで電荷を持たない炭素のカルベン

カルベン(carbene)とは価電子数が6個のみで電荷を持たない炭素、またはこのような炭素を持つ化合物です。カルベンには共有結合に関与している2つの軌道の他に2つの軌道があります。2つの共有結合に2電子ずつ合計4電子が存在し、残りの2つの軌道に2つの電子が分布します。 

電子のスピン状態によって一重項カルベンと三重項カルベンの2種類があり、カルベンの反応性や構造に大きな影響があります。一重項カルベンは電子が異なる方向のスピンで存在しているのが特徴です。一重項カルベンでは一方の軌道に二つの電子が存在し、他方の軌道は空軌道になります。そのため、一重項カルベンは空軌道によって求電子的な性質を持ち、オクテット則を満たす構造に変わりやすい性質があるのが一般的です。三重項カルベンでは電子が同じ方向のスピンで存在しています。同じ方向のスピンは同一の軌道に存在できないため、三重項カルベンの場合には2つの軌道にそれぞれ1電子ずつ入らなければなりません。それぞれの軌道が不対電子を持っているのでラジカルと同様の反応性を示すのが特徴です。 

カルベンは不安定物質なので一般的には安定に単離できません。しかし、金属錯体として安定化された金属カルベノイドには安定なものもあります。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-化学用語, 用語集
-

関連記事

lca cfp

発熱反応・吸熱反応(exothermic reaction/endothermic reaction)とは

発熱反応・吸熱反応(exothermic reaction/endothermic reaction)とは化学反応の進行の際に発生する熱についての反応の分類です。発熱反応では化学反応が進行したときに熱 …

lca cfp

ポリアミドイミド(POLYAMIDEIMIDE,PAI)とは

Contents1 物性2 市販のポリアミドイミド3 用途 物性 ポリアミドイミド(PAI)は、黄色から茶色の色をした高性能非晶質エンジニアリング熱可塑性プラスチックです。優れた熱的、機械的、化学的特 …

lca cfp

キセノンウェザー、スーパーキセノン、サンシャインウェザーの耐候性試験装置の比較

以下は、キセノンウェザー、スーパーキセノン、サンシャインウェザーの耐候性試験装置の違いを比較した表と、それぞれの特徴について説明します。 項目キセノンウェザー (Xenon Weather)スーパーキ …

lca cfp

リビング重合(living polymerization)とは

リビング重合(living polymerization)とは活性種が反応系において安定に存在する重合反応です。リビング重合出ない場合には活性種が反応系で停止反応を受けてしまい、自然に重合反応が止まり …

lca cfp

σ結合(sigma bond)とは

σ結合(sigma bond)とは分子軌道理論によって定義された結合軸を持つ方向性のある共有結合です。2つの原子間で形成される結合の一種で、分子軌道関数による相互作用が結合軸に対して対称形になるのがσ …