用語集

樹脂プラスチックの誘電率と周波数(高周波・低周波)の関係

プラスチックの誘電率(Relative Permittivity, εr)は、材質と周波数によって異なります。一般的なプラスチック材料について、誘電率の値を周波数に応じて示した一覧を以下に作成します。

ただし、具体的な周波数ごとの値は、各素材の詳細な技術データシートに依存しますので、あくまで代表的な値とします。

プラスチックの誘電率一覧表

材質名誘電率(低周波数)誘電率(高周波数)誘電率(1MHz)
ポリエチレン (PE)2.252.12.3
ポリプロピレン (PP)2.22.02.2
ポリスチレン (PS)2.52.42.6
ポリ塩化ビニル (PVC)3.02.93.1
ポリカーボネート (PC)3.02.83.0
ポリアミド (PA) / ナイロン3.53.13.7
ポリエステル (PET)3.23.13.3
ポリメタクリル酸メチル (PMMA) / アクリル3.02.83.1
ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) / テフロン2.12.02.2
ポリフェニレンオキシド (PPO)2.52.42.6
ポリブチレンテレフタレート (PBT)3.33.23.4
ポリスルホン (PSU)3.53.33.6
ポリエーテルイミド (PEI)3.33.23.4
エポキシ樹脂 (Epoxy)3.53.23.6

説明

  1. 誘電率(低周波数): 一般に1kHz程度の低周波数での誘電率を示します。
  2. 誘電率(高周波数): 高周波数(数GHz以上)の場合の誘電率を示します。
  3. 誘電率(1MHz): 1MHzでの誘電率を示し、一般的な用途で使われる基準値となります。

備考

  • 誘電率の変化: プラスチックの誘電率は、周波数が高くなると一般的に低下する傾向があります。これは、極性の応答が高周波数に追随できなくなるためです。
  • 使用する周波数帯: 誘電率のデータを利用する際には、実際の使用周波数におけるデータを確認することが重要です。

これらのデータは、材料選定や設計時の参考となるものであり、実際の設計では、具体的な使用条件に応じて詳細なデータシートを確認してください。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-, , , ,

関連記事

lca cfp

連鎖重合(チェーンポリメライゼーション)の種類と試験方法

連鎖重合(チェーンポリメライゼーション)は、モノマーの反応によって高分子(ポリマー)が形成される化学反応の一種です。以下は、連鎖重合の主要な種類とそれぞれの試験方法を比較した表です。 項目ラジカル重合 …

lca cfp

耐荷重試験の種類と方法【比較表】

樹脂プラスチックの耐荷重試験は、材料がどの程度の荷重に耐えられるかを評価するために行われます。以下に、代表的な耐荷重試験の種類とそれぞれの試験方法を表にまとめました。 試験種類概要試験方法測定項目使用 …

lca cfp

ポリアミド(POLYAMIDES)とは-ポリラクタム/ポリフタルアミド/ポリアラミド

目次1 物性2 商業用ポリアミド3 用途 物性 ポリアミド(PA)は、二酸とジアミンの反応、またはラクタムの開環重合によって生成されます。それらは、脂肪族、半芳香族、または完全に芳香族の熱可塑性プラス …

lca cfp

σ結合(sigma bond)とは

σ結合(sigma bond)とは分子軌道理論によって定義された結合軸を持つ方向性のある共有結合です。2つの原子間で形成される結合の一種で、分子軌道関数による相互作用が結合軸に対して対称形になるのがσ …

lca cfp

過酸化物(peroxide)とは

過酸化物(peroxide)とは2つの酸素原子が単結合によって結合している構造を持つ化合物です。過酸化物はペルオキシドとも呼ばれています。過酸化物の一方の酸素がアルキル基によって置換され、他方は水素が …