用語集

ポリベンズイミダゾール(POLYBENZIMIDAZOLE / PBI)

ポリベンズイミダゾールの物性

ポリベンズイミダゾールは、非常に耐熱性の高い複素環式熱可塑性プラスチックのクラスです。それらは、芳香族テトラアミンと芳香族ジカルボン酸またはその誘導体から調製されます。例えば、ジフェニルイソフタレートと3,3 ‘、4,4’-テトラアミノジフェニルの縮合反応であり、不活性雰囲気下で350〜400℃の温度で自発的に環化します。

PBI

ポリベンズイミダゾールとその誘導体は非常に高価で製造が困難ですが、優れた特性を持っています。実際、上記のPBIは、市場で最も高性能なエンジニアリングプラスチックの1つであり、未充填の熱可塑性樹脂の中で最高の耐熱性と使用温度を提供します。約425°C(800°F)の非常に高いガラス転移温度を持ち、融点はなく、264 psi(1.8 MPa)の熱たわみ温度は約815°F(435°C)です。また、アルコール、炭化水素、塩素化溶媒、硫化水素、弱酸と弱塩基、および他の多くの化学物質を含む、優れた熱安定性と耐薬品性も備えています。その分解温度は1300°F(> 500°C)以上です。

ポリベンズイミダゾールは、イオン不純物のレベルが非常に低く、アウトガスが発生しません(水を除く)。これらの特性により、半導体アプリケーション(真空チャンバアプリケーション)に最適です。PBIは優れた断熱材でもあり、耐摩耗性に優れています。それらの極端な硬度により、機械加工が困難になります。ほとんどの場合、ダイヤモンド工具が推奨または必須とされています。

PBIの主な欠点は、ノッチの感度です。このため、鋭いエッジと角は避け、表面は滑らかにする必要があります。

市販のポリベンズイミダゾール

ポリベンゾイミダゾール製品(PBIS)は、PBIの機能商品によって製造されている商品名CELAZOLE®。主な形状には、繊維、シート、ロッド、チューブ状があります。

ポリベンズイミダゾールの用途

ポリベンズイミダゾールは、高強度および高温性能で知られています。なので、半導体、石油化学、航空宇宙産業を含む多くの産業分野で用途を見出しています。主な用途には、耐熱性アパレル、コンタクトシール、ウェーハキャリア、さまざまな分離プロセス用メンブレン、絶縁ブッシング、断熱材などがあります。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-,

関連記事

lca cfp

組成分析の種類と方法【比較表】

樹脂プラスチックの組成分析は、材料の化学的構造、添加物、充填剤などの成分を特定するために行われます。以下に、代表的な組成分析の種類とその方法を比較表にまとめて説明します。 樹脂プラスチックの組成分析方 …

lca cfp

粒子状有機化合物(POM / Particulate Organic Matter)とは

粒子状有機化合物(POM / Particulate Organic Matter)とは揮発性有機化合物(VOC)の中で最も沸点が高い有機化合物です。揮発性有機化合物は塗料やペンキ、自動車の排気ガスや …

lca cfp

廃プラスチック とは

目次1 中国が輸入禁止する廃プラスチック2 一般廃プラスチック と 産業廃プラスチック3 プラスチック生産量 と 廃プラスチック排出量 と 廃プラスチックの再利用率 中国が輸入禁止する廃プラスチック …

lca cfp

平衡反応(equilibrium reaction)とは

平衡反応(equilibrium reaction)とは原系から生成系への反応と、生成系から原系への反応が同時に進行して一定の原料と生成物の比率に落ち着く反応です。典型的なのが酸性条件でのエステルの加 …

lca cfp

イオン重合(Ionic polymerization)とは

イオン重合(Ionic polymerization)とはイオン性の中間体を用いる付加重合です。イオン重合(Ionic polymerization)は中間体の種類によってアニオン重合とカチオン重合に …