化学用語 環境・サステナビリティ 用語集

三ふっ化窒素(NF₃/nitrogen trifluoride)とは

三ふっ化窒素(NF₃)は1つの窒素原子と3つのフッ素原子から成る化合物です。常温常圧で無色の気体で、不燃性で無臭の気体として活用されています。皮膚や粘膜への短時間の接触による毒性は低いですが、吸入時には肺や腎臓に障がいを起こすリスクがあるので取り扱いには注意が必要な物質です。 

三ふっ化窒素は半導体のドライクリーニング・ドライエッチングに使用されています。化学レーザーの一種で赤外線を発するフッ化水素レーザーにも利用されている物質です。半導体分野ではフロン類が洗浄剤として用いられてきましたが、オゾン層の破壊能力があることや温室効果が高いことが問題になっています。そのため、フロン類と類似のメカニズムでクリーニングが可能な代替ガスとして三ふっ化窒素が普及しました。 

ただ、三ふっ化窒素は地球温暖化を促進するリスクがある気体です。三ふっ化窒素の地球温暖化係数は17,200で、大気中での寿命は740年とされています。三ふっ化窒素は生産量が少なかったため、排出規制の対象になる温室効果ガスには該当していません。しかし、世界的にフロン類の代替物質として利用されるようになってきたため、今後は排出規制対象になる可能性があります。

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