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生分解性&バイオマスプラスチックとは?
生分解性バイオプラスチックとは、一般的に通常のプラスチックと同様に使うことができ、使用後は自然界に存在する微生物のはたらきで、最終的に水と二酸化炭素に分解されるプラスチックと言われていますが、その他にもバイオプラスチックの種類があります。
日本バイオプラスチック協会によると、バイオ系プラスチックは以下の3つに分けられています。
- 生分解性プラスチック(グリーンプラ)
- バイオマスプラスチック
- バイオプラスチック
・グリーンプラ(生分解性プラスチック)
通常のプラスチックと同様に使うことができ、使用後は自然界に存 在する微生物のはたらきで、最終的に水と二酸化炭素に分解され るプラスチック
・バイオマスプラ
原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み、化学的又は 生物学的に合成することにより得られる高分子材料
・バイオプラスチック
グリーンプラ(生分解性プラスチック)+バイオマスプラ※ 酸化型生分解性プラスチックは、JBPAで定めるグリーンプラ 認証基準に適合しないので、グリーンプラではありません。
引用:日本バイオプラスチック協会
このページでは、各バイオプラスチックの製品と製造販売メーカーをご紹介します。
生分解性プラスチック(グリーンプラ)メーカー
株式会社カネカ
カネカグループは、企業理念「人と、技術の創造的融合により未来を切り拓く価値を共創し、地球環境とゆたかな暮らしに貢献します。」の実現に向け、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の取り組みを強化し、社会課題解決の一翼を担うため、一人ひとりの行動指針としてESG憲章を制定しました。このESG憲章に則り、研究開発型素材メーカーとして社会課題の解決にイノベーションや新たな技術を創造し、その技術を駆使して価値ある製品やシステムを提供することでサスティナブル社会の実現への貢献と企業としての成長を果たしてまいります。
カネカ生分解性ポリマーPHBH™は、植物油などのバイオマスを原料とし、微生物発酵プロセスによって生産されるポリマーです。
自然界に存在する多くの微生物により分解され、最終的には炭酸ガスと水になります。
海水中を含む様々な条件下で優れた生分解性を示すことから、食品包装材料、農業・土木資材、海洋資材などの幅広い用途への利用が期待され、二酸化炭素の排出量削減や地球環境保全に貢献します。
(株)カネカの生分解性プラスチック(グリーンプラ)製品
カネカ生分解性ポリマーPHBH™
カネカ バイオポリマー アオニレックス(AONILEX)Ⓡ
三菱ケミカル株式会社
現在、気候変動の増大や天然資源の枯渇、水資源の偏在、人口増加や高齢化、食料・農業問題といった地球規模のリスクに私たちは直面しています。この危機的な状況に際して、私たちは化学会社として、資源およびエネルギーの効率的利用、再生可能資源の活用、環境負荷の低減などをイノベーションで実現し、環境と社会の持続可能性を向上させていくことが使命であると考えています。
プラスチックの原料を枯渇性資源である石油から、再生可能資源であるバイオマス原料に代替していく取り組みは、資源の効率的利用を実現し、SDGsの一つである「持続可能な生産の確保」に大きく貢献します。一方、プラスチックの特性を活かしながら生分解性を付与することで環境中での分解を容易にし、環境負荷低減に貢献することも可能となります。これらは別個の特長ですが、両方の特長を備えたプラスチックが、私たち三菱ケミカルが開発したBioPBS™なのです。
BioPBS™(バイオPBS)ポリブチレンサクシネート(PBS)は、自然界の土中の微生物の力で水と二酸化炭素に自然に分解される生分解性プラスチックです。PBSは、一般的な生分解性樹脂の中では高い耐熱性を持ち、繊維などとの相溶性も高いという特徴を有しています。
三菱ケミカル(株)の生分解性プラスチック(グリーンプラ)製品
BioPBS™(バイオPBS)
バイオマスプラスチックメーカー
ダイセルポリマー株式会社
ダイセルポリマーでは、AS・ABS樹脂とエンジニアリングプラスチックス、PP樹脂をベースにして、難燃グレード、非ハロゲン系難燃剤使用グレード、ポリマーアロイグレード、フィラー強化グレード、導電グレードなど、様々な高機能グレードを開発し、電機・OA機器、情報通信機器、自動車などの市場にお届けしています。また、社会・市場のニーズに対し、独自技術により開発した新規製品もご提案しております。
セルブレンCは地球に優しいセルロース繊維を配合した熱可塑性樹脂材料です。(繊維原料が植物由来で、石油系材料の削減に貢献。)
また低比重で軽量化に貢献します。
(比重:ガラス2.6 セルロース1.5)
高剛性、音響特性、低摩擦性等の優れた特性を有しています。
セルブレン-ECは、天然セルロースが原料の環境にやさしいプラスチックです。
パルプを原料とするため、トウモロコシを原料とするPLA樹脂とは異なり、食糧資源に影響を与えません。
ダイセルポリマー(株)のバイオマスプラスチック製品
セルブレンC
セルブレンEC
アルケマ株式会社
アルケマ株式会社の日本法人は、フランスの化学品メーカーであるアルケマグループの傘下として東京に本社を置き、他に京都、横浜の二拠点で事業を展開しています。
1974年の日本法人設立以来、アルケマは、優れた革新性、信頼性、企業文化を持つスペシャリティケミカルメーカーとして高く評価され、社会の中で重要な役割を果たしてきました。
Rilsan® polyamide 11 は、再生可能原料(ヒマシ油)由来の高性能ポリアミド製品です。軽量、再生可能、リサイクル可能、耐久性-理想的な組み合わせです。そして、ユニークな “C11炭素鎖”は、水素結合濃度が非常に高い結晶性をもたらします。広く一般に知られているポリアミド12と比較すると、より高い融点、優れた燃料およびガスバリア性、優れた衝撃特性を寄与します。ポリアミド11は、一般的な短鎖ポリアミドと比較してより優れた柔軟性と寸法安定性、およびより良好な衝撃特性を有します。
アルケマ(株)のバイオマスプラスチック製品
Rilsan® polyamide 11(リルサン)
Pebax® Rnew®(ペバックス)
東レ株式会社
東レのエコディア®は、バイオマス由来ポリマー素材・製品の事業ブランドです。 東レの繊維事業では、PET・PTT・N610・PLAなどの植物由来合成繊維をグローバルに展開しています。
エコディア®PETは、サトウキビ廃糖蜜を粗原料とする植物由来エチレングリコールと石油由来テレフタル酸を重合・溶融紡糸した部分植物由来ポリエステル繊維です。グリーン公共調達法(グリーン購入法)の「植物由来合成繊維」基準に適合し、ISO14024準拠のタイプⅠ環境ラベル(エコマーク)認定商品です。 エコディア®PLAは、生分解性の特徴を活かした生活・土木・農業資材分野などに展開しており、砂漠固定緑化用資材にも採用されています。