
ポリカーボネート(Polycarbonate, PC)は、高い耐衝撃性・透明性・耐熱性を兼ね備えた非結晶性エンジニアリングプラスチックであり、家電、自動車、医療、光学用途など幅広い分野で使用されています。2025年現在、世界的なサステナビリティ要請やEV化、自動化技術の進展に伴い、ポリカーボネートの応用範囲は急速に拡大しています。
市場規模の推移と2025年予測
2023年時点におけるポリカーボネート樹脂の世界市場規模は約560万トン(約140億ドル)と推定されており、年平均成長率(CAGR)3.5〜4.2%で拡大が続いています。2025年には600万トンを超える見通しであり、特にアジア(中国・インド・東南アジア)市場の伸長が全体の成長を牽引しています。
- 2023年:5.6百万トン(約140億ドル)
- 2024年:5.9百万トン(推計)
- 2025年予測:6.2百万トン(約158億ドル)
用途別動向と需要構造の変化
従来、家電筐体やCD/DVDなどが主要用途でしたが、近年は以下の分野での需要が増加しています:
- EV・自動車用照明・グレージング材
- 5G関連部材(レンズ・コネクタ)
- 透明防護カバー・医療機器ハウジング
- 光学フィルム(タッチパネル、偏光板基材)
価格推移(2022〜2025)
原油価格の変動や中国における供給過多、輸送コストの改善などを背景に、ポリカーボネートの価格は以下のように推移しています。
年度 | 平均価格(USD/kg) | 備考 |
---|---|---|
2022年 | 2.80 | 原材料価格高騰と物流問題により高騰 |
2023年 | 2.40 | 中国市場の供給過剰で価格下落 |
2024年 | 2.55 | 欧米での自動車需要回復で反発 |
2025年(予測) | 2.60 | 安定成長を維持、バイオPCへの移行も開始 |
主要メーカーと世界シェア(2025年見込み)
- Covestro(ドイツ):約20%
- SABIC(旧GE Plastics):約18%
- Lotte Chemical(韓国):約12%
- Teijin(日本):約9%
- Mitsubishi Engineering Plastics(日本):約7%
- 中国ローカルメーカー(合計):約25%
トレンド・展望
2025年以降は、以下のような動きが市場を形成していくと考えられます:
- 再生ポリカーボネートやバイオベースPCの台頭
- 自動車の軽量化ニーズによるグレージング代替の加速
- 高耐熱・光学グレード品の高付加価値領域への集中
今後のサステナビリティと高機能化へのシフトを踏まえると、ポリカーボネートの需要はますます多様化していく見通しです。
(注:本記事は各種業界レポート・公開資料を参考に独自に構成したものであり、推計値を含みます)