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1. はじめに
EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)は、柔軟性・透明性・耐候性などに優れた熱可塑性樹脂であり、
包装、靴底、太陽電池封止材などの用途で広く利用されています。酢酸ビニル(VA)含有量の調整により、
軟質から硬質まで幅広い特性が得られ、機能性とコストのバランスに優れた樹脂素材です。
2. 市場規模の推移(2022~2025年予測)
- 2022年:約88億米ドル
- 2023年:約92億米ドル
- 2024年:約96億米ドル(推定)
- 2025年予測:100億米ドル前後(CAGR:6.5%)
成長ドライバーは、EVAフォーム(靴底・マット)、太陽光発電(PV)封止材、食品・医療包装向けフィルムです。
3. 価格推移(アジア地域中心)
- 2024年末:約2,100 USD/トン(DDPアジア)
- 2025年Q2:約2,060 USD/トン(−1.9% 下落)
市場価格は在庫調整や需要減により一時的に下落傾向。主に靴底・PVモジュール用原料としての需要変動が価格に影響を与えます。
4. 用途別需要動向
- フットウェア:スポーツ・カジュアルシューズ分野で需要継続。EVAフォーム市場は安定成長。
- PV(太陽電池封止):特に中国・インドなど新興国の太陽光発電市場で拡大中。
- 包装材:医療・食品業界でのフィルム需要が安定。
5. 地域別市場トレンド
- アジア太平洋:全世界の約60%以上のシェア。日本・中国・韓国・インドが中心。
- 北米・欧州:医療・衛生包装材需要に支えられ堅調。
6. 主要メーカーシェア
EVA樹脂市場では、中国、米国、韓国、日本などのグローバル企業が主要シェアを占めています。
特に以下のメーカーが世界市場において重要な存在です。
- Sinopec(中国):世界最大の生産能力を有し、約17.5%のシェアを占有。
- ExxonMobil(米国):高VA含有グレードに強み。
- Dow Chemical(米国):多用途対応グレード展開。
- Formosa Plastics(台湾):汎用・食品用途向けに強い。
- Hanwha TotalEnergies(韓国):太陽電池用の市場に注力。
- 三井・デュポンポリケミカル(日本):EVAFLEXブランドでグローバル展開。
各社は、用途別(PV用、包装用、フォーム用)に特化したグレードを展開し、市場での競争力を高めています。
7. 今後の展望と課題
再生可能エネルギー分野の拡大と、包装材用途におけるリサイクル対応などが今後の焦点となる見通し。
一方で、原料コストや石油系価格変動、為替・地政学的リスクなどによる価格上下は引き続き注意が必要です。