樹脂プラスチック材料環境協会 / Resin & Plastic Materials Environmental Association

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原料・素材・材料

PPS(ポリフェニレンサルファイド)原料ペレットメーカー一覧|用途別の選び方・比較・失敗回避

PPS(Polyphenylene Sulfide)は、耐熱(高温連続)・耐薬品・難燃(自己消火)・低吸水(寸法安定)が強いスーパーエンプラです。
車載(電動化含む)・電装(コネクタ/端子周辺)・ポンプ/バルブ等の流体部品・水回り部材で「PA/PBTでは持たない温度・薬品」を超えるときに選択肢に入ります。

一方で、PPSは「入れれば勝ち」ではなく、選定を外すと脆さ(衝撃)・溶着/ウェルド割れ・反り(GF)・外観(焼け/銀条)・金型設計/温度条件が落とし穴になります。
PPSはまず「直鎖型(tough/汎用)」or「架橋型(耐熱/流動/剛性寄り)」、次にGF量(30〜40%)/低反り/摺動/導電/熱伝導のどれが要件かを先に固定すると、メーカー候補が一気に絞れます。


基礎を先に押さえる(1分)|PPSとは?

材料基礎 耐熱 耐薬品 低吸水 難燃

PPSの特徴(耐熱・耐薬品・難燃・寸法安定)や、用途の考え方は下記ページにまとめています。
“材料の全体像 → 用途別の勝ち筋 → メーカー候補化”の順に見ると、選定が最短で終わります。

基礎:PPSとは(特性・用途)を見る


まずはここだけ見ればOK|PPSの“推奨グレード方向”クイックガイド

PPSの勝ち筋は、「温度(連続/ピーク)」「薬品(燃料/オイル/冷却液/洗剤)」「寸法(反り/吸水)」「電装(難燃・CTI・耐トラ)」「強度(GF)」「熱(放熱/熱伝導)」のどれを最優先するかで決まります。
下の表で自社用途に最も近い“1つ”を選び、そこからメーカー候補へ進むのが最短です。

直鎖PPS GF30-40% 低反り 電装 流体部品 放熱

用途のタイプ 最優先すべき特性 まず選ぶグレード方向 コメント(落とし穴)
高温・薬品(ポンプ/バルブ/流体) 耐薬品・寸法・長期耐熱 直鎖PPS(tough)+GF強化(30〜40%) 金型温度が低いと結晶/寸法が不安定に。成形条件もセットで
電装(コネクタ/端子周辺) 難燃・電気特性・寸法 電装向けPPS(低反り/高剛性)+必要なら高CTI系 薄肉条件と規格(厚み/温度)を先に固定。材料だけで終わらない
EV/放熱(熱マネ・筐体) 熱伝導・寸法・難燃 熱伝導/放熱グレード(フィラー設計) 熱と機械の両立はトレードオフ。優先順位を先に決める
低反り・精密(嵌合/公差厳しい) 反り・寸法・成形再現性 低反り設計(GF+ミネラル等)/流動設計系 ゲート/流動方向で反りが支配。材料+金型で決まる
摺動・摩耗(機構部) 耐摩耗・低摩擦・剛性 摺動改質(潤滑/耐摩耗)+必要ならGF 相手材・温度・面圧で結果が変わる。評価条件固定が重要

この表で方向性を決めてからメーカーを見ると、見積を取る“グレードカテゴリ”が即決できます。


PPS|主要メーカーの強みを一目で比較

PPS 直鎖 GF強化 電装 流体 グローバル調達

メーカー / ブランド 強いテーマ 強み(選定軸) 典型用途 調達観点
ポリプラスチックス|DURAFIDE®(PPS) 国内定番・幅広いグレード 用途別に探しやすく、PPSの比較軸(汎用/強化/改質)を作りやすい 車載、電装、水回り 国内調達の基準候補
東レ|TORELINA™(PPS) 耐熱・寸法・水回り認証 耐熱/寸法安定のバランスで比較候補に上がりやすい 水回り、産業、電装 認証/用途要件で強い
呉羽化学工業|Fortron KPS(PPS) 直鎖PPS(タフ寄り) 直鎖型PPSで“脆さ”の弱点を潰す比較軸になりやすい 車載、電装、産業 直鎖PPSの代表候補
Celanese|Fortron®(PPS) グローバルPPS PPSの代表銘柄として代替検討のベースに上がりやすい 電装、車載、産業 グローバル比較
Syensqo(旧Solvay)|Ryton® PPS 高耐熱・寸法・コスパ 耐熱/寸法安定のバランスで“精密×高温”領域の比較候補 電装、車載、工業 海外比較の軸
Envalior|Xytron™(PPS) PPSコンパウンド 用途別のグレード探索(GF/改質)で比較候補に上がりやすい 車載、E&E、産業 多地域供給/BCP
DIC|PPSコンパウンド(DIC.PPS) コンパウンド設計 用途要求(剛性/反り/電装等)に合わせた材料設計の比較軸 電装、車載、産業 仕様設計で刺さる

最初は「直鎖PPSでタフさを取りに行く」or「GFで剛性・寸法を取りに行く」or「電装/放熱の機能を取りに行く」のどれを軸にするかで、勝ち筋メーカーが決まります。


PPSで失敗しやすいポイントTOP5|ここを潰すと試作が速くなる

金型温度 反り 脆さ ウェルド 外観

PPSは強い材料ですが、条件を外すと割れ・反り・寸法ズレ・外観不良が出やすいです。
下の5項目を先に潰すだけで、手戻りが大きく減ります。

よくある失敗 起きやすい現象 まずやる対策 代替候補の目安
① 金型温度/結晶化の考慮不足 寸法ばらつき、反り、強度ムラ 材料だけでなく金型温度・冷却を要件化(試作条件を固定) PPA / LCP(薄肉電装)
② GFで反り・寸法が崩れる 反り、嵌合不良、組立不良 低反り設計グレード+ゲート/流動方向の最適化(型が支配的) PBT-GF / PA-GF(温度が許せば)
③ “PPSは脆い”問題を放置 衝撃割れ、落下割れ、ウェルド割れ 直鎖PPS(tough)や耐衝撃改質を最初から候補化。角R/応力集中も同時に潰す PPA(タフ系)/ PA(温度次第)
④ 外観(焼け/銀条/ガス) 焼け、ガス跡、充填不良 ベント設計・射出速度・滞留を見直し。過度な滞留/温度条件の固定 LCP(外観/薄肉)
⑤ “薬品OK”の前提が曖昧 実液での膨潤/クラック/劣化 薬品は濃度×温度×時間×応力で結果が変わる。実条件で固定して比較 PEEK / フッ素系(超過酷)

コツ:「材料→評価」ではなく、条件(温度/薬品/寸法)→カテゴリ(PPSの型)→材料の順にすると最短で決まります。


PPS vs 他エンプラ|用途起点の早見比較

材料 得意領域 弱点 PPSとの関係(使い分け)
PPS 高耐熱・耐薬品・低吸水・難燃 脆さ/ウェルド/金型温度の影響が大きい “温度×薬品×寸法”が厳しいときの本命
PBT 電装・寸法安定・量産安定 温度/薬品の上限はPPSほど強くない 温度が許せばPBTが量産最適解になりやすい
PA(ナイロン) 靭性・摺動・コスパ(改質幅) 吸水(寸法)・高温高湿 寸法/薬品/温度が厳しくなるとPPSへ
LCP 薄肉・精密・高耐熱(電装) 設計の癖/コスト/用途限定 薄肉電装の最終カード。PPSで流れない/精度が出ないときに
PEEK 超耐熱・超耐薬品・高信頼 高コスト・加工難度 PPSの上位互換領域(“さらに上”が必要なら)

迷ったら「温度上限」「薬品(実液)」「公差(反り)」を先に固定すると、候補が自然に絞れます。


電装・コネクタ用途のPPS|“選び方”専用ブロック

電装 コネクタ 難燃 寸法 低反り

電装・コネクタは「PPSでOK」では決まりません。勝負は規格(難燃/電気)薄肉・反り、そしてウェルド/割れです。
下の3ステップで、候補を一気に絞れます。

ステップ 決めること 選ぶ材料方向 メモ
1 温度要件(リフロー/周辺温度)・規格条件(厚み) 電装向けPPS(規格対応系) 厚み条件が曖昧だと候補が無限に増える
2 薄肉・流動長・多点(充填条件) 高流動+必要ならGF 材料だけでなく型温/ベントで結果が変わる
3 反り・寸法・割れ(ウェルド/応力) 低反り設計/必要なら直鎖PPS(タフ)も比較 評価は“同一金型・同一条件”で比較が鉄則

実務TIP: コネクタの割れ/クラックは、材料だけでなくゲート・角R・応力・ベントでも大きく変わります。


寸法・反りトラブル回避チェック|3分で事故を減らす

反り 金型温度 流動方向 GF 嵌合

PPSは低吸水で寸法が強い一方、GF配向と結晶化(型温)で反り・寸法が決まりやすい材料です。
下のチェックがYESなら、トラブルの大半を先に潰せます。

チェック項目 YESの目安 推奨アクション
① 反りの許容値(公差)が決まっている 嵌合・シールで許容が明確 “反りが支配”なら低反り設計を最優先で候補化
② 金型温度/冷却条件が固定できる 試作〜量産で同等運用が可能 PPSは型温で結果が変わりやすい。条件を先に標準化
③ 流動方向(配向)を設計できる ゲート位置/多点の自由度 材料だけでなく、ゲート/肉厚/リブで反りを潰す
④ ウェルド・応力の対策がある 割れのリスク部位が把握できている 直鎖PPS/耐衝撃改質や、形状(角R/応力分散)もセットで

結論: PPSは「材料+金型温度(運用)」がセット。ここを固めると量産が一気に安定します。


PPS樹脂ペレット|主要メーカー(公式リンク)

※撤退・統合などで情報が古くなると比較が崩れるため、公式リンク起点でたどれる構成にしています(順不同)。

ポリプラスチックス株式会社(DURAFIDE®|PPS)

PPS GF強化 電装 車載 国内基準

DURAFIDE® PPSは、PPSの代表シリーズとして、用途別(強化/改質/電装)に候補を作りやすいのが特長です。
まずは「GF量(30/40)」「低反り」「電装向け」「流体向け」のどれを優先するかを決め、同カテゴリで横並び比較すると選定が速くなります。

公式:DURAFIDE® PPS 製品情報を見る

東レ株式会社(TORELINA™|PPS)

PPS 耐熱 寸法安定 水回り 認証

TORELINA™は、PPSの耐熱・寸法安定を軸に用途展開しやすいシリーズです。
水回りなどは用途認証(規格)の有無が勝負になるため、用途要件とセットで候補化すると手戻りが減ります。

公式:TORELINA™(PPS)製品情報を見る

株式会社呉羽(Fortron KPS|PPS)

直鎖PPS タフ 耐熱 耐薬品 車載/電装

Fortron KPSは、直鎖型PPSとして、PPSの弱点になりやすい“脆さ”側の課題を潰す比較軸になりやすい材料です。
割れ・ウェルドが問題になりそうなら、直鎖PPS(tough)を最初から候補に入れると試作が速くなります。

公式:Fortron KPS(PPS)製品情報を見る

Celanese(Fortron®|PPS)

PPS グローバル 電装 車載 代替検討

Fortron® PPSは、PPSの代表銘柄としてグローバル比較の“軸”になりやすい材料です。
海外調達や多地域での代替検討が絡む場合、まずFortron®をベンチマークに置くと比較が進みやすくなります。

公式:Celanese Fortron® PPSを見る

Syensqo(旧Solvay)(Ryton® PPS)

Ryton 高耐熱 寸法安定 電装 海外比較

Ryton® PPSは、精密成形部品向けの寸法安定・高耐熱を軸に比較候補に上がりやすいPPSブランドです。

公式:Ryton® PPS(Syensqo)を見る

Envalior(Xytron™|PPS)

PPS コンパウンド GF 耐薬品 多地域供給

Xytron™はPPSベースの高性能材料として、用途(車載/E&E/産業)に合わせたグレード探索がしやすいシリーズです。

公式:Envalior Xytron™(PPS)を見る

DIC株式会社(PPSコンパウンド|DIC.PPS)

PPS コンパウンド 電装 反り 仕様設計

DICはPPSコンパウンドの製品情報(概要/ラインアップ)を公式ページで整理しており、用途要求に合わせた“仕様設計”の比較をしやすいのが特長です。

公式:DIC PPSコンパウンド情報を見る


よくある質問(FAQ)

Q1. PPSで一番多い失敗は?

多いのは反り(GF配向)割れ(ウェルド/応力)です。
PPSは吸水で寸法が動きにくい反面、金型温度(結晶化)と流動方向が支配的になりやすいので、試作条件を固定して比較すると手戻りが減ります。

Q2. 直鎖PPSと(架橋寄り)PPSはどう使い分ける?

ざっくり言うと、タフさ(割れにくさ)を取りたいなら直鎖PPS側を早めに比較、剛性/耐熱/流動を優先するなら用途カテゴリ(GF量/低反り/電装)を固定して比較が進みやすいです。
最終的にはGF・低反り・耐衝撃・電装向けなど“グレード設計”で差が出ます。

Q3. PBTやPAからPPSへ切り替える判断基準は?

目安は温度・薬品・公差です。
PBT/PAで高温×薬品×寸法(反り/変形)が厳しくなったら、PPSの比較価値が上がります。迷ったら、実液×温度×時間×応力の条件を固定して比較すると結論が早いです。


関連ページ(あわせて読む)

なぜPPSなのか?|「PA/PBTでは持たない条件」を一気に越える理由

高耐熱 耐薬品 低吸水 難燃 寸法安定 EV/電装

PPSが選ばれる理由はシンプルで、「温度×薬品×寸法(吸水)」の同時要求が来たとき、PA/PBTの延長線では厳しくなる領域を一気に越えられるからです。
特に電動化(高温・電装・冷却液)流体部品(薬品×温度)では、PPSの優位性がはっきり出ます。

PPSを選ぶ典型トリガー 現場で起きがちな問題(PA/PBT) PPSが刺さる理由 実務の注意点
① 高温が上がっていく(連続/ピーク) 変形、強度低下、長期での割れ 高温域で物性が落ちにくく、高温環境でも設計が成立しやすい 金型温度・結晶化条件で寸法が変わるので試作条件固定が重要
② 薬品(燃料/オイル/冷却液/洗剤)が絡む 膨潤、クラック、応力割れ 耐薬品が強く、流体部品で採用されやすい 薬品は濃度×温度×時間×応力で結果が変わる(実条件で比較)
③ 寸法(吸水)で詰む 嵌合不良、公差未達、再現性が崩れる 低吸水で寸法が動きにくいため、公差が厳しい部品で有利 吸水より反り(GF配向)が支配的になりやすい
④ 電装の難燃・電気要件が厳しい 薄肉で規格が通らない、温度で不安 難燃・電装材料としての実績があり、薄肉電装の比較軸になる 規格は厚み条件が肝。曖昧だと比較が終わらない
⑤ EV/放熱(熱マネ)がテーマになる 熱が逃げない、筐体が歪む、耐熱不足 熱伝導(放熱)グレードがあり、機能材として選べる 熱伝導は機械特性/反りとトレードオフ。優先順位固定が必須

結論:「温度・薬品・寸法」のうち2つ以上が同時に厳しいなら、PPSは“検討コストに見合う”確率が高い材料です。
ただしPPSの落とし穴は反り(GF配向)割れ(ウェルド/応力)なので、材料だけでなく金型・ゲート・条件まで含めて比較すると、試作が速くなります。

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