Contents
- 1 ポリウレタン(PU / Polyurethane)ペレットとは
- 2 まずはここだけ見ればOK|TPU(PUペレット)の“推奨グレード方向”クイックガイド
- 3 TPU(PUペレット)|主要メーカーの強みを一目で比較
- 4 BASF(Elastollan®:TPU)
- 5 Covestro(Desmopan®:TPU)
- 6 Lubrizol(ESTANE® TPU)
- 7 Huntsman(IROGRAN®:TPU)
- 8 Wanhua Chemical(Wanthane®:TPU)
- 9 日本ミラクトラン(国内TPU専業)
- 10 関連ページ(あわせて読む)
- 11 なぜTPU(PUペレット)を選ぶのか?|他材料との比較で“意思決定”を速くする
- 12 TPU(PUペレット)と他樹脂の違い|“どれを選ぶべきか”比較で意思決定を速くする
- 13 関連ページ(比較に使う)
ポリウレタン(PU / Polyurethane)ペレットとは
「PU(Polyurethane:ポリウレタン)」は、用途が非常に広い材料群です。
このページで扱う“ペレット”は主に、射出・押出で加工できるTPU(Thermoplastic Polyurethane:熱可塑性ポリウレタン)を指します。
TPUはゴムのような弾性と、プラスチックの加工性を両立し、耐摩耗・耐油・耐屈曲・高反発などの特性設計がしやすいのが特徴です。
実務では「硬さ(Shore)」「耐加水分解(湿熱)」「耐摩耗」「透明性」「耐候(UV)」「難燃」「低温特性」「接着性(多層/接着用途)」など、優先順位で“最初に当たるグレード”が変わります。
まずは用途の軸を1つ決めてから、メーカーと代表ブランドへ進むと選定が速くなります。
以下より、TPU/PUペレットを取り扱う主要メーカーと代表ブランド/公式資料を確認してください(順不同)。
まずはここだけ見ればOK|TPU(PUペレット)の“推奨グレード方向”クイックガイド
TPUの選定で迷いやすいのは「硬さ」だけで判断してしまうことです。
実務では耐加水分解(ポリエーテル系優位になりやすい)や耐摩耗(用途で差が出る)、透明性、耐候(UV)、難燃、高流動(薄肉)、接着/多層(接着性)がボトルネックになりがちです。
下の項目で自社用途に最も近い“1つ”を選んでからメーカー・型番へ進むと、見積・サンプル依頼が整理できます。
硬さ(Shore)
耐加水分解
耐摩耗
透明
耐候(UV)
難燃
高流動
接着/多層
低温
バイオ/低CF
| 用途のタイプ | 最優先すべき特性 | まず選ぶグレード方向 | コメント(落とし穴) |
|---|---|---|---|
| チューブ/ホース(湿熱・水回り) | 耐加水分解+柔軟性 | 耐加水分解(ポリエーテル系)を優先 | “透明”も欲しい場合、硬さと透明の両立は型番依存 |
| ケーブル被覆(耐油・耐摩耗) | 耐摩耗+耐油+加工安定 | 耐摩耗/耐油タイプ(押出適性も確認) | 難燃要求があると配合が変わり、物性も変動 |
| 靴材・グリップ(弾性・反発) | 反発/屈曲+耐摩耗 | 靴材向け(反発・屈曲評価前提) | 硬さだけで決めず、屈曲・摩耗・温度域で評価 |
| フィルム/多層(貼り合わせ) | 接着性(多層)+押出適性 | 接着/多層用TPU | 相手材(PA/PC/PET等)で接着が変わるため要実機 |
| 透明カバー/部品(外観) | 透明性+外観(黄変/曇り) | 高透明グレード(黄変対策も確認) | 成形条件・乾燥で外観差が出やすい |
| 屋外・耐候(黄変/劣化) | 耐候(UV) | UV安定化/耐候タイプ | 透明用途は特に黄変評価が重要 |
| 電気・電子(規格) | 難燃(UL等) | 難燃TPU | 難燃は硬さ/流動/耐屈曲に影響→型番比較が早い |
最短ルートは、①用途カテゴリを1つ決める → ②メーカーを2〜3社に絞る → ③型番で評価です。
TPU(PUペレット)|主要メーカーの強みを一目で比較
TPUはメーカーにより、グレード体系(硬さレンジ)、用途別ページの分かりやすさ、製品DB(型番探索)、サステナブル(低CF/バイオ)の強みが異なります。
まず“軸”を決めてから、下のメーカー詳細へ進むと迷いが減ります。
グローバル
耐摩耗
耐加水分解
透明
難燃
製品DB
| メーカー | 代表ブランド | 強み(選定の軸) | 典型用途 | 調達観点 |
|---|---|---|---|---|
| BASF | Elastollan® | TPUの定番ブランド。用途説明と製品情報導線が安定 | ホース、ケーブル、フィルム、工業部材 | 公式ページの信頼性が高い |
| Covestro | Desmopan® | 用途別ストーリー/ブランド導線が強い(低CF系列も) | ホース、工業、医療、耐候用途 | ブランドページが分かりやすい |
| Lubrizol | ESTANE® | 製品ライン(ポリエステル/ポリエーテル/特殊)が整理されている | 押出・射出、フィルム、工業用途 | 公式製品ページ導線が明確 |
| Huntsman | IROGRAN® | TPU製品カテゴリ/プロダクトファインダーの導線が強い | 射出・押出部材、工業部材 | 型番探索が速い |
| Wanhua Chemical | Wanthane® | TPUの製品一覧(型番)がまとまっている | 汎用、靴材、ケーブル、工業用途 | 型番一覧で当たりを付けやすい |
| 日本ミラクトラン | TPU(国内TPU専業) | 国内TPU専業として用途情報がまとまる | 国内調達、工業用途 | 国内窓口で進めやすい |
TPU(PUペレット)|主要メーカー一覧(公式リンク)
BASF(Elastollan®:TPU)
TPU
耐摩耗
押出
射出
定番
Elastollan®はBASFのTPUブランドで、ホース、ケーブルシース、ベルト、フィルム等に幅広く使われます(用途別の説明が公式にまとまっています)。
Covestro(Desmopan®:TPU)
TPU
耐摩耗
柔軟
耐油
低CF系列あり
Desmopan®は耐摩耗・弾性・温度範囲での柔軟性などを特徴とするTPUブランドです。用途別の導線が強く、まずブランドページから当たりを付けるのが最短です。
Lubrizol(ESTANE® TPU)
TPU
製品ライン整理
押出
射出
ESTANE® TPUは、ポリエステル系・ポリエーテル系・特殊コンパウンドなど製品ラインの説明が整理されています。
用途の軸(耐加水分解/耐摩耗/接着など)を決めてから型番に入ると早いです。
Huntsman(IROGRAN®:TPU)
TPU
製品カテゴリ
型番探索
射出/押出
IROGRAN®はHuntsmanのTPUブランドで、カテゴリページからシリーズへ進めます。
「型番で探す」運用なら、公式の製品カテゴリ(カタログ)導線が便利です。
Wanhua Chemical(Wanthane®:TPU)
TPU
型番一覧
汎用~用途別
Wanthane®はWanhuaのTPUブランドで、公式サイトにTPUの製品一覧(型番)がまとまっています。
まず一覧で硬さレンジや用途を見て、候補型番を2〜3に絞るのが早いです。
日本ミラクトラン(国内TPU専業)
TPU
国内
用途情報
リーディング
日本ミラクトランは、TPU(熱可塑性ポリウレタン)専業企業として用途情報が整理されています。
国内調達で進めたい場合の比較軸として置きやすいメーカーです。
関連ページ(あわせて読む)
材料比較
調達
用途選定
なぜTPU(PUペレット)を選ぶのか?|他材料との比較で“意思決定”を速くする
TPUは、硬さを変えながら弾性・耐摩耗・耐油・耐屈曲などを狙えるため、ゴム代替や柔軟部材の量産に強い材料です。
一方で、湿熱(加水分解)・黄変(耐候)・難燃・接着(多層)など、用途によっては“地雷ポイント”が変わるため、最初に優先順位を固定するのがコツです。
耐摩耗
柔軟
押出/射出
耐加水分解
難燃
理由①:耐摩耗・耐屈曲が効きやすく、ケーブル/ホース/靴材で“設計しやすい”
摩耗・屈曲のある用途では、材料差が性能と寿命に直結します。
TPUは用途別グレードが豊富で、硬さだけでなく摩耗・屈曲・温度域まで含めて最適化しやすいのが強みです。
理由②:押出・射出どちらも対応しやすく、量産工法の自由度が高い
ホース、チューブ、フィルム、被覆、射出部品など、加工法の守備範囲が広いのは実務で大きなメリットです。
理由③:“耐加水分解/耐候/難燃/接着”など課題に対して、方向性を切り分けられる
TPUは万能ではありませんが、課題が出やすい論点(耐加水分解、黄変、難燃、接着)に対してグレードの方向性が分かれていることが多く、
用途カテゴリ→メーカー2〜3社→型番評価のルートで意思決定を速くできます。
最短ルートは、①湿熱/屋外/難燃/接着のどれが最優先か固定 → ②候補型番を2〜3に絞る → ③実条件で評価です。
TPU(PUペレット)と他樹脂の違い|“どれを選ぶべきか”比較で意思決定を速くする
TPUは「ゴムっぽい弾性」と「熱可塑(射出/押出できる)」を両立できるのが最大の特徴です。
一方で、透明材料(PC/PMMA/MABS/SAN)や剛性材料(ABS)とは、得意領域がそもそも違います。
下の比較で「何を優先するとTPUが合理的か/他材料が合理的か」を先に固定すると、候補が一気に絞れます。
選び方
比較表
用途起点
リンクで深掘り
| 材料 | 得意領域(ざっくり) | TPUに対する立ち位置 | TPUを選ぶ判断基準 | 他材料を選ぶ判断基準 | 典型用途 |
|---|---|---|---|---|---|
|
TPU(PUペレット) ▶ PU/TPUページ内(意思決定)へ |
弾性(ゴム感)+熱可塑加工(射出/押出) 耐摩耗・耐屈曲・耐油・反発など |
基準(柔軟・耐摩耗系の王道) | 柔軟・弾性が必要/摩耗・屈曲が効く/被覆・ホース・フィルム・靴材など | 透明“最優先”や耐熱“最優先”など要求が尖る場合は他材料比較 | ケーブル被覆、ホース、チューブ、靴材、ローラー、フィルム、多層接着 |
|
PC(ポリカーボネート) ▶ PCページ |
透明+高耐衝撃+耐熱 難燃(規格)も取りやすい |
“硬くて強い透明”の代表 |
透明でも「割れにくさ」「耐熱」「難燃(規格)」が重要ならPCが強い TPUは柔らかいが、PCほどの耐熱/剛性は狙いにくい |
「ゴム感・柔軟」を主目的にするならTPUへ寄せる | 透明保護カバー、電装筐体、光学部材、耐熱部品 |
|
PMMA(アクリル) ▶ PMMAページ |
透明感・外観(クリアさ)の王道 | “外観最優先”の対抗軸 |
TPU透明用途でも外観が最優先なら、PMMAを比較に入れる価値が高い (ただし衝撃・柔軟はTPUの土俵) |
柔軟・屈曲が必要ならTPUに寄せる(PMMAは“硬い透明”寄り) | 意匠パネル、透明カバー(衝撃小)、外観最優先部材 |
|
AS / SAN ▶ AS(SAN)ページ |
透明×耐薬品(方向性が作りやすい) | “透明×耐薬品”の比較軸 |
TPUで薬品(洗剤/アルコール等)接触が厳しい場合、SAN系を比較しておくと安全 (ただし耐衝撃・柔軟は用途で再検討) |
柔軟・屈曲が主目的ならTPUが本命(SANは硬質寄り) | 透明容器、透明雑貨、耐薬品を重視する透明カバー |
|
MABS(透明ABS) ▶ MABSページ |
透明×成形性×バランス(扱いやすい) | “透明筐体の現実解” |
TPUで「柔らかすぎる」「剛性も欲しい」が出るならMABSを比較候補へ 透明筐体・日用品で量産の扱いやすさが効く |
摩耗・屈曲・グリップなど“ゴム感”が必要ならTPU | 透明筐体、透明意匠部品、日用品、アミューズ部品 |
|
ABS ▶ ABSページ |
バランス材料(コスト×剛性×成形安定) | “硬質筐体の定番” | TPUは柔らかい用途に強いが、筐体など“硬さ・剛性”が主目的ならABSが合理的 | 摩耗・屈曲・グリップなど、柔軟性が性能に直結するならTPU | 家電筐体、OA、一般部材(透明不要) |
|
PC/ABS(アロイ) ▶ PC/ABSページ |
耐熱×耐衝撃の筐体実務解(基本は不透明) | “機能筐体”の比較軸 |
“柔軟”ではなく“機能筐体(耐熱・耐衝撃)”が目的ならPC/ABSが有力 TPUはグリップ部や柔軟部へ“部位使い”が現実的 |
柔らかさ・屈曲・摩耗が主目的ならTPU | 電装筐体、車載内装、機能部材(透明不要) |
迷ったら、次の順で絞ると速いです:
①「柔軟・屈曲・摩耗」が主目的ならTPU →
②「透明×割れにくい/耐熱」ならPC →
③「外観最優先」ならPMMA →
④「透明×耐薬品」ならSAN →
⑤「透明×成形バランス」ならMABS →
⑥「硬質筐体のコスパ」ならABS/PC-ABS