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ポリ塩化ビニル(塩ビ/PVC)素材の特徴や用途・劣化・耐熱・接着剤・燃焼・加工・構造式・硬質と軟質の違い

ポリ塩化ビニル(PVC)の歴史

ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride/PVC)は、1927年に米国のユニオンカーバイド (Union Carbide Corporation) が初めて工業に取り入れました。1930年頃にはポリ塩化ビニルは多く製造され、日本では1941年にパイロット版として生産がスタートしました。その後1945年までには300トン程度ものポリ塩化ビニルが製造されました。1950年頃には米国からのテクノロジー導入があり、クオリティと数量がかなりアップしました。1969年には100万トンになり、その後200万トンを超えた段階で日本は米国の次に生産数量が多い国となりました。

ポリ塩化ビニル(PVC)の構造式


※画像出典:wikipedia

ポリ塩化ビニル(PVC)の製造方法

塩化ビニルは、昔には塩化水素とアセチレンを化学反応させて製造を行っていましたが、今では塩化水素、エチレン、酸素を化学反応させるオキシクロリネーション法と、塩素、エチレンを化学反応させる直接塩素化法をもちいて二塩化エチレンを製造し、その後高温熱分解を行い製造する流れが主になっています。ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルを懸濁重合してつくりますが、一部塊状重合法も行われています。ミクロ懸濁重合法や乳化重合によってつくられる平均粒径1μ程度のペースト材料もつくられています。

ポリ塩化ビニル(PVC)の特長

  • 可塑剤を使用した軟質から硬質まで幅広い領域の製品がつくれます。硬い製品にした場合、タフネスであり難燃性を有します。
  • 透明性、耐候性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性に優れています。
  • 熱安定剤を投入して、押出し、インジェクション、カレンダー、ブロー成形、ペースト加工等のワイドな成形領域を持ちます。


ポリ塩化ビニル(PVC)の成形加工条件

押出ダイ温度

軟質160~190℃ 硬質170~200℃

カレンダー加工

軟質140~170℃ 硬質160~180℃

ポリ塩化ビニル(PVC)のメイン用途

硬質

パイプ 平板 波板 滑り台 デッキ材 レコード 窓枠 食品包装 電話器具 

軟質

レザー タイル 工業用フィルム 農業用フィルム ストレッチフィルム ホース ガスケット

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