3Dプリンター

3Dプリンターで出来ることや種類方式・仕組み・比較

3Dプリンターとは?

3Dプリンターは、デジタルデザインから物理的な造形物をつくる製造機器です。3Dプリンター技術とそれに使われる材料はさまざまありますが、原理的には同じです。つまり、積層工法(積層造形)を使い立体物を製造します。

積層工法はしばしば別の言い方で「3Dプリント」「ラピッドプロトタイピング」「アディティブ・マニュファクチャリング(AM)」と呼ばれます。また、3Dプリンターという言葉は、今までの「マテリアルジェッティング方式(マルチジェット・プリント方式)」「インクジェット粉末積層方式(カラージェット・プリント方式)」「光造形方式(SLA(Stereo Lithography Apparatus))」「熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)」「 粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)」などの積層工法を包括する言葉になっています。

3Dプリンターは、まず物理的な造形物を作るためデジタル3Dデザインファイルを制作します。デザインファイルなしで印刷しようとすると、ただの白紙の紙を印刷するのと同じです。そのデザインファイルは薄い輪切り状に変換され、3Dプリンターに送信されます。

その後、3Dプリンターで使用するプラスチック樹脂材料を溶融し、印刷台に積層していきます。積層工法は用途によって選択され、上記でごご紹介した通り様々あります。3Dプリンター印刷を行った後、必要であれば後加工を施すことがあります。

3Dプリンターで使用する材料や素材は、プラスチックやゴム、金属、砂岩に至るまで、幅広く使用できる材料、素材が増えています。


3Dプリンターの歴史

1983年にチャック・ハル(Chuck Hull)が「stereolithography」と呼ばれる最初の3D印刷プロセスを発明しました。特許に書かれている内容では、stereolithographyは紫外線硬化性材料の薄い層を連続して印刷すること、光硬化性液体を用いた「印刷」にのみ焦点を当てていますが、チャック・ハル(Chuck Hull)が3D Systemsを設立した後に、液体だけに限定されず、個体を造形物に印刷する技術を確率しました。これにより、3Dプリンターの基礎ができました。

2009年までは3Dプリンターは工業用途に限定されていましたが、一般的な3Dプリンター技術の1つであるFDM(溶融堆積モデリング)の特許が失効しました。それにより、デスクトップ3Dプリンターが生まれることになりました。当時の話によると、20,000,000円のコストが200,000円以下で購入できるようになり、2009年には個人向け3Dプリンター市場が開かれることになりました。その影響で3Dプリンターの販売は年々増えており、特許に縛られない新しい製品が生まれるとされています。


3Dプリンターの種類方式

3Dプリンター全般の技術は、デジタルファイルで作られた造形物データをレイヤーごとに作成しますが、方式は様々です。ここでは、各方式ごとにご説明をします。

1. 光造形方式

光造形方式とは、特定波長域の光を液体樹脂に照射させることで、化学反応を起こし固体化します。光造形技術のほとんどは、この現象を使い一度に1層を構成物をつくります。光造形方式のメリットとして、数時間から1日程度で精度の高い製品を完成させることができます。

ステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)

光造形方式であるステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)は、液体樹脂を入れた半透明のタンクを使用します。構造的には、機械本体上部から下部に沿って[プラットフォーム/樹脂を入れるタンク/光線装置]の構造です。

製造工程の流れについては、液状樹脂を入れた半透明タンクにプラットフォームを沈めます。プラットフォームがタンクに沈むと、光線装置がタンクの底を照射し材料を硬化させます。このとき、底の1層が形成され、製品の一部となります。その後、一旦プラットフォームは持ち上げられ、その作られた1層の下にまた新しい層の樹脂を流します。この作業を製品が形状が完全に出来上がるまで行います。この光造形方式は2種類あり、ステレオリソグラフィー(SLA)はレーザーを使用します。デジタルライトプロセッシング(DLP)はプロジェクターを使用します。

この光造形技術は、デスクトップ(家庭用)3Dプリンターでも利用可能です。また、樹脂原料の種類はエポキシ系やアクリル系の紫外線硬化樹脂に限定されますが、強度や柔軟性、耐候性があるABS樹脂やウレタン原料も出てきています。

また、ステレオリソグラフィー(SLA)とデジタルライトプロセッシング(DLP)について、精密部品の製造や表面を滑らかにしたい部品に向いており、細かな彫刻や宝石部品の試作として通常利用されています。なので、サイズも小さなものに向いており、大きな造形物の製造にはあまり適していません。

長所
  • スピーディーに造形ができる
  • 造形精度が高い
  • 複雑な形状にも対応できる
  • 滑らかな表面にできる
短所
  • 積層材料に光硬化性を使用するため、耐候性が低く、屋外での使用はいまいち。しかし、耐候性樹脂を用いれば対策が可能
  • サポート除去や未硬化樹脂の洗浄など、後加工が必要になる
材料:エポキシ系やアクリル系紫外線硬化樹脂、ABS樹脂、ウレタンなど(セラミック等の混入が可能)


2. 熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)

熱溶解積層方式(Fused Deposition Modeling:FDM)の製造方法は、フィラメントと呼ばれる糸状になっている材料を使用します。このフィラメントは、3Dプリンター機械に設置されてあるリールに巻かれ、3Dプリンター内部にある加熱されるノズルに先端を挿入します。その後、材料は溶融され、溶融状態になった材料をプラットフォーム上に押出しながらコンピューター上で設計された経路に沿って移動していきます。押し出された材料は1層ずつ積み重なり、すぐに冷やされ固体化します。製品全体が完成するまで積層押出しが繰り返されます。

このFDM技術は3Dプリンターマーケットの中でも安く利用できる技術であり、またABSやASA、PC、ポリカABS、ナイロン、PSF(ポリサルフォン)、PLA(ポリ乳酸)、ポリアミド(ナイロン)、PEI(ポリエーテルイミド)、カーボン、ブロンズ、ウッドなど幅広い材料を使用することができます。

FDMは、3Dプリンター試作技術の中でもスピーディーかつ安価に製造出来る特徴があります。なので幅広い領域分野で使用できます。特に電子製品分野では、FDM 3Dプリンター技術を使った最終製品が注目されています。但し、精密部品など複雑を極める部品などには不向きなので、使い方にも工夫が必要です。

長所
  • デスクトップ(家庭用)3Dプリンターで安価に購入できる。
  • 多種多様な素材や色を選択できる。
  • ABSや金属を含むフィラメントが使用でき、強度を出せる。
  • フィラメント自体もSLA方式のエポキシに比べても安い。(特殊樹脂の除き)
  • ABSなどを使用できるので、加工もしやすい。
短所
  • 精密な部品には不向き。(積層ピッチが最小0.1mm程度の理由。SLA方式は最小ピッチ0.025mm程度)
  • ノズルが積層する動きをするため、積層痕(段差)が残りやすい
材料:ABS、ASA、PC、ポリカABS、ナイロン、PSF(ポリサルフォン)、PLA(ポリ乳酸)、ポリアミド(ナイロン)、PEI(ポリエーテルイミド)、カーボン、ブロンズ、ウッドなど


3. 粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)

粉末レーザー焼結積層造形方式(Selective Laser Sintering:SLS)は、粉末状の層をレーザー光線を使って溶融して硬化させ、製品を製造します。

このSLS方式のプロセスでは、まず最初に粉末の中にレーザーを照射し、製品の一部を形作りながら材料を溶融、焼結させます。一旦その粉末層が硬化するとその粉末層は下に下がり、新たにローラーを使って上部に粉末層が敷かれます。完成品ができるまでレーザーを照射を繰り返し連続的な層を形成します。

SLS方式は、主に産業用で使用されていますが、デスクトップタイプも市場には出回っております。SLS方式に使用できる材料には、ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、セラミック、熱可塑性エラストマーなどの材料を使用できます。

機能部材や最終製品を製図するため、このSLS方式は利用されています。SLS方式レーザー焼結の最大のメリットは、自由な設計ができることです。使用される粉末が造形物の支持体として作用し、複雑な造形物を作ることができます。このプロセスのデメリットは、冷却に時間がかかり、納期までに時間がかかることです。

長所
  • 複雑で精細な造形が可能。
  • 耐久性も良好
  • 金属素材も製造できる
  • 硬化した後は、沈まないのでサポート不要
短所
  • 表面のざらつきが残る。
材料:ポリアミド(ナイロン)、ポリスチレン、セラミック、熱可塑性エラストマーなど


4. マテリアルジェッティング方式(インクジェット・マルチジェット・プリント方式)

マテリアルジェッティング方式(マルチジェット・プリント方式)は、紙に印刷するインクジェット印刷に似ていますが、インクを紙に噴射する代わりに、液体樹脂をプラットフォームに噴射し、紫外線(UV)をで硬化させます。

このマテリアルジェッティング方式の製造工程は、製品データ形状のマップ通りに液体樹脂がプリントヘッドを通して噴射されます。その後、紫外線(UV)を照射し、液体樹脂を硬化させます。これを繰り返して樹脂を積層し、製品を完成させます。

マテリアルジェッティング方式は、主に工業用3Dプリンターで使用されます。選定できる材料は、靭性、透明性またはゴム様の柔軟性を含むいろいろな特性をもつ液体樹脂から選べます。最新技術では、様々な色と特殊液体樹脂を組み合わせたマテリアルジェッティング方式がでてきています。

マテリアルジェッティング方式の特徴は、試作をスピーディーに行え、また現実的で機能的な製品をつくることができます。精密な製品も得意としていて、最大16ミクロン(人間の髪の毛よりも薄い)の層で印刷ができます。

長所
  • 精密製品の造形が可能。
  • 様々な色と樹脂素材を組み合わせることができる。
短所
  • 光硬化性樹脂を使用するので、太陽光などで劣化が起こる。
  • 耐久性に劣る。
材料:光硬化性樹脂


5. インクジェット粉末積層方式(バインダージェッティング・カラージェット・プリント方式)

インクジェット粉末積層方式(バインダージェッティング・カラージェット・プリント方式)は、粉末を硬化させて製品を形作る点ではSLSに似ていますが、層をレーザー照射させ硬化させる代わりに、接着剤を使用し固めます。

インクジェット粉末積層方式の製造工程については、粉末層に接着剤と粉末を交互に噴射させ製品形状を形作ります。次に、製品形状が作られた層の上に新たな粉末が敷かれ、製品形状が完成するまで同じ工程が繰り返されます。完成した製品については、プラットフォームから取り出して洗浄し、変色しないようにコーティングを行います。

インクジェット粉末積層方式は、主に工業用3Dプリンターとして利用されており、通常使用される材料は、フルカラーの砂岩です。インクジェット粉末積層方式の材料コストや工程コストが割安のため、SLS方式と比べお手頃価格で試作が可能です。

インクジェット粉末積層方式はフルカラーで印刷できることが特徴であり、建築モデルや彫刻の分野で利用され、発色性が機能する分野で人気です。また、SLSと同様に、粉末が支持体として機能し複雑な形状が作れることです。

長所
  • フルカラーで造形が可能。
  • 造形スピードが速い。
  • 材料コストや工程コストが割安。
  • サポート材の除去が不要。
短所
  • 表面にざらつきが残る。
  • 耐久性に劣る。
材料:砂岩、樹脂パウダー


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