樹脂プラスチック材料環境協会 / Resin & Plastic Materials Environmental Association

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市場・マーケット

【2025年版】PET樹脂ペレットの市場価格動向と市場規模について

— ポリエチレンテレフタレート(PET)市場の最新トレンドをお届けします —

2025年6月現在、世界のPET樹脂市場は価格の安定傾向とともに、リサイクル需要の拡大という二つの流れが顕著になっています。バージン材(PETペレット)・リサイクル材(rPET)ともに供給体制が強化され、循環型社会構築に向けた取り組みが進展しています。

本協会では、国内外の市場データをもとに、2025年時点でのPET樹脂の市場動向を以下の通りまとめました。


■ バージンPETペレットの価格推移

現在、アジア市場におけるPETボトルグレード・バージンペレットの取引価格は次の通りです:

  • 2025年5月時点
    → RMB 6,400/トン(約117,000円/トン)

2025年上期は原油・原材料コストの影響を受け、堅調な価格が続いています。今後も大きな変動は見込まれておらず、レンジ相場(RMB 6,200〜6,600/トン)での推移が予想されます。


■ 世界のPET市場規模

バージンPET(PETペレット)

年次世界市場規模(USD)年平均成長率(CAGR)
2023年484億3,000万ドル
2024年529億4,000万ドル+9.3%
2032年予測1,096億3,000万ドル9.5%

包装用途や繊維素材、特に飲料ボトル市場を中心に成長が続いています。


リサイクルPET(rPET)

年次世界市場規模(USD)世界供給量(重量ベース)成長率
2024年139億9,000万ドル
2025年150億4,000万ドル約511万トン7.5%
2030年予測約717万トン7.0%

ボトル to ボトル用途のrPET市場は、世界的な環境政策強化の影響を受け、年々拡大を続けています。食品安全基準を満たす高品質なrPET需要が増加しており、欧州・北米・日本を中心に供給能力の拡充が進んでいます。


■ 日本国内のrPET供給状況

年次国内供給能力(B to B用 rPET)
2023年末約34万8,000トン/年
2024年末約37万3,000トン/年
2025年予測約44万5,000トン/年

国内では大手飲料メーカーを中心にボトルリサイクルの自主取り組みが加速しており、今後さらに供給体制が拡大していく見込みです。


■ 今後の市場動向と課題

  • 政策動向
    EU、日本をはじめとする多くの地域で「プラスチック資源循環促進法」やリサイクル利用義務化の動きが進展中。
  • 需要動向
    飲料・食品業界のrPET利用宣言(2030年までに50%以上など)が供給拡大を促進。
  • 課題
    原料ボトルの回収率向上と、rPETの品質標準化が引き続き業界の優先課題となっています。

■ まとめ

2025年のPET樹脂市場は、安定した価格動向とともに、循環型社会への転換が一段と加速しています。リサイクル需要の拡大と高品質rPET供給の確立は、今後の市場成長を支える重要な要素となります。

樹脂プラスチック材料環境協会では、今後も業界の動向を継続的にモニタリングし、環境負荷低減と資源循環型社会の実現に向けた情報発信を続けてまいります。


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