樹脂プラスチック材料環境協会 / Resin & Plastic Materials Environmental Association

ほしい「原料・材料・素材・機械・加工・技術・環境ソリューション」を持つメーカーと、直接つながる / "Connect directly with manufacturers that provide the desired raw materials, components, machinery, processing techniques, technologies, or environmental solutions."

     

用語集

表面粗さ Ra/Rz。測定方法について

樹脂プラスチックの表面粗さの計測方法と機器

表面粗さの計測は、プラスチックや樹脂製品の品質管理に欠かせない工程です。表面の状態は、接着、摩擦、光沢、耐久性など、製品の性能に大きな影響を与えます。本記事では、樹脂プラスチックの表面粗さの代表的な計測方法や、使用される計測機器について詳しく説明します。


1. 表面粗さの指標

表面粗さは、数値で「Ra」「Rz」などの指標として示されます。

  • Ra(平均粗さ):測定線に沿った表面の凹凸の平均値。
  • Rz(最大高さ粗さ):最大の山と谷の差を測定。より凹凸の大きさを反映します。
  • Rq(二乗平均平方根粗さ):Raの計算における平方平均値で、表面の変動の激しさを捉えます。

2. 樹脂プラスチックの表面粗さの計測方法

2.1 接触式測定法

接触式の粗さ計は、ダイヤモンド製の触針(プローブ)を使用して表面の凹凸を直接測定します。測定精度が高く、深い溝や微細な表面も計測可能です。

  • メリット:高精度で深い凹凸を検出可能。
  • デメリット:柔らかい樹脂では、触針が表面を傷つけるリスクがある。

代表的な機器

  • タリガージ®(Mitutoyo製):コンパクトでポータブルな接触式粗さ計。
  • Surftestシリーズ:幅広い測定レンジを持つ高精度な粗さ計。

2.2 非接触式測定法

非接触式は、光学技術を利用して表面の状態を測定する方法です。主に、レーザーや白色干渉計を使用します。樹脂やプラスチックの柔らかい表面にも適しており、高速で測定できます。

  • 光学顕微鏡法:顕微鏡を使い、拡大した画像から表面の粗さを解析。
  • 白色干渉計法:白色光の干渉パターンを解析して表面の凹凸を測定。精度が非常に高く、ナノレベルの表面も観察可能。
  • レーザースキャン:レーザー光を使って3Dモデルを生成し、表面の粗さを測定。

代表的な機器

  • Keyence製レーザーマイクロスコープ:高速かつ高精度の非接触測定が可能。
  • Zygo白色干渉計:ナノレベルでの測定を必要とする用途に最適。

3. 測定方法の選定ポイント

  • 柔らかいプラスチックの場合:非接触式を推奨。触針による損傷を防ぐため。
  • 精度重視の場合:白色干渉計を使った測定が効果的。
  • 簡便性が求められる現場:接触式粗さ計がコンパクトで使いやすい。

4. 使用例と応用

  • 自動車部品:外装や内装の樹脂部品で、光沢や滑り性を管理。
  • 医療機器:プラスチック部品の表面状態を最適化し、衛生面を確保。
  • 家電製品:樹脂表面の美観と耐久性の向上。

まとめ

樹脂プラスチックの表面粗さ測定には、接触式と非接触式の2つの主要な方法があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、用途や素材に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。特に、柔らかい樹脂には非接触式が推奨され、高精度な測定が必要な場合は白色干渉計が活躍します。

このページに掲載されている企業・商品・材料等情報は、当協会が各企業の公式ホームページに掲載されている情報等を収集した上で、掲載を行っております。情報を精査し正しい情報掲載をしておりますが、当協会がそれを保証するものではありません(情報に誤りがあった場合は、お問合せフォームよりご連絡ください)。また、各種引用元のデータの変更、追加、削除などにより生じる情報の差異について、当協会は一切の責任を負わないものとします。当協会は、当サイトの掲載情報から直接的、または間接的に発生したと思われるいかなる損害についても責任を負わないものとします。  

-用語集
-, ,

関連記事

lca cfp

融点とは?【融点一覧表】

融点とは、熱をかけることで固体物質が液体に変わる転移温度のことを指します。樹脂プラスチックの中で、一般的に融点が存在するのは高密度ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性樹 …

lca cfp

耐候性試験(Weathering test)とは

耐候性試験(Weathering test)とは、プラスチックの耐劣化性試験のひとつ。自然の天候、または、人工の条件下における材料やコーティングの劣化具合を調べる試験のこと。 また耐候性試験は、材料や …

lca cfp

pHとは

pHとは水素イオン指数や水素指数、水素イオン濃度指数と呼ばれる物理量です。希薄溶液のpHは水素イオンのモル濃度の常用対数に相当します。希薄溶液における計算式は水死音濃度を[H+]とするとpH=-log …

lca cfp

特定フロン(specified freons)とは

特定フロン(specified freons)とはオゾン層を破壊する物質としてモントリオール議定書で定義されたフロン類です。オゾン層破壊係数が大きいCFCがまず生産・排出・貿易の規制対象となり、オゾン …

lca cfp

耐候性試験の種類・方法・機械について

樹脂やプラスチックの耐候性試験は、これらの材料が屋外環境でどのように劣化するかを評価するために行われます。代表的な試験種類、方法、および使用される機械について説明します。 1. 紫外線耐候性試験(UV …